すべての美しい馬 (ハヤカワepi文庫)

8件の記録
- 尾崎@ozaki2025年3月26日読み終わった〈あの子はかしらを上げて毅然としていればどんなことでも無視できると考えています。理想の世界でなら暇人たちの噂話など歯牙にかける必要はないかもしれません。でもわたしは現実の世界ではどうなるかを見ています。そこではとても重大な結果を招くのです。血が流れるかもしれません。人死にすらないとはいえません〉 p.225 ハヤカワepi文庫
- 尾崎@ozaki2025年3月22日読んでる〈黒い雷雲の屍衣に包まれて遠くのほうで音もなく光る稲妻は鋳物工場で煙越しに見る溶接の光に似ていた。それはあたかも暗色の鉄でできた世界にできた傷を修復している現場のように見えた〉 p.112 ハヤカワepi文庫
- 尾崎@ozaki2025年3月21日読んでる〈みんなもう自分が安全だとは思っちゃいない、と父親はいった。おれたちはちょうど二百年前のコマンチ族と同じだ。あしたこの土地に何が姿を現すかわからない。それがどんな色をしてるのかもわからないんだ 〉 p.43 ハヤカワepi文庫
- 読書ト宝箱。@dokutaka7782024年10月11日かつて読んだ特筆すべきは文体。一文の中で視点が変化したり、必要なことを全て書きとろうとする態度であったり、総じてたいへん映像的です。それゆえに登場する遍く物事を平等に照し出している印象があります。 逆に言えば、我々読者がどこに眼を向けるのかを委ねられる、自由な文体であるように感じられました。