「人間は、動きに反応することはできても、動き続けているものを記述することはできない。だから、科学は、生きているものを殺し、それを止まった情報にすることで対象を理解しようとしてきたわけです。 そうした動かない情報の最たるものが、文字だと思います。私たちが安心して文字を読めるのは、それがそこに止まっていてくれるから。記憶が流転しても、「あの本にこんな話があった」と探し出せるのは、書物が静止しているからです。」(p.233) とても面白かった。 ど文系の自分にはプロローグで書かれた「動的平衡」についての文章がうまく頭に入ってこなかったんだけど、対話を読んでいるうちに少しずつ自分の中に染み込んできて、文系・理系関係なくどの分野にも「動的平衡」に通ずる部分があるということがすごく新鮮な発見だったし、今自分はこういう文章が読みたかったんだ！と思えた一冊だった。

1人で電車で実家に行きたいという息子を駅まで送って、図書館で早めのお昼を食べながら読書。 と思ってのんびりしてたのだけど、待てど暮らせど到着メールが来ず。父に連絡すると、線路に人が立ち入ったとかで12分遅れで運行してるとのこと。その後、無事に落ち合えたけれど久しぶりに何も手につかない時間を過ごした。40分弱の出来事だったけれど、1分1秒がめちゃくちゃ長く感じた…。 気を取り直して読書。 プロローグを読んで、やばい全然頭に入ってこない…と思ったけど、第一章の小泉今日子との対談を読んだらすごいわかる！となって最後まで読めそう。次のお相手はカズオ・イシグロ。