鳥と雲と薬草袋
7件の記録
ふるえ@furu_furu2026年1月19日読んでる“由良の名を持つ土地のほとんどは、おそらく古代から海と陸とを穏やかに繋ぐ場所であったのだろう。ユ、という音が水を意味し、ラという接尾語がついて、水のあるところを指すという説もあり、「波が砂をゆり上げるところ」とも解釈されることもあるようだ。” 梨木香歩『鳥と雲と薬草袋』(新潮社)p.31 ゆり上げるって聞いたことがないぞと思って調べると「揺り上げる」と書き、その言葉の通り「揺り動かして上げる」という意味らしい。海と陸とが穏やかに繋がる場所を、波が砂を揺り動かして上げる様子で名前をつけるというのはいいなと思う。



ふるえ@furu_furu2026年1月18日読んでる借りてきた目次を見て、いろいろな地名とそれを分類するための言葉に「まなざしからついた地名」とか「温かな地名」というのがあって、よくわからないけれどうるうるする。人が生きてきた、あるいは訪れる地に名前をつけることは、そこの歴史や風景、時勢を内包しているものであることに感動する。
nornacum@nornacum2025年9月27日読み終わったエッセイ旅記憶地名『西の魔女が死んだ』の梨木香歩さんによるエッセイ集。彼女の本はたいてい読んだ気がしていたけど、この本は読んでなかったらしい。西日本新聞に連載された地名にまつわるエッセイを編んだもの。どうりで目次を読むと、なじみのある西日本の地名が多いはずだ(新聞社から「西日本の地名多めで」という発注を受けていたとはいえ、時期的に東北の地名に触れるのは辛かった、という事情もあったらしい)。 「埼」(さき)、「鼻」(はな)、「谷戸」(やと)、「迫」(さこ/せこ/はさま)、「熊/隈/球磨」(くま)、「原」(はら/はる/ばる)のような、地名の構成要素について思いをめぐらしながら、軽妙な語り口で、自身の思い出や印象をさくさくと紡いでいく様が気持ちいい。もちろん読み心地にのせられるままに読み切ってしまうのも悪くはないけど、「連載時と同じように一日一篇と呼んで下されば」と作家が書いているように、徒歩の旅のごとくゆっくりのんびり読むのも乙っぽい。そういう読書のやり方もありますよね。

