毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記

9件の記録
- K@weitangshaobing2025年6月29日読み終わった【よかったところ引用】 この社会に生きていれば、不美人であることの不遇を、女は痛いほど感じている。女は、男のようにブスを笑えない。自分がブスだ、と自虐はしても、他人のブスは笑わない。それは天につばするようなものだから。そんな社会で、佳苗は、軽々と〝ブス〟を超えたように見えるのかもしれない。容姿を自虐することなく、卑屈になることもなく、常に堂々と振る舞う佳苗。不美人を笑う男たちを嘲笑うように利用したのは、不美人の佳苗だ。そこに女は、佳苗の新しさをみる。(p.88) 50代の男性裁判長は、佳苗に厳しかった。繰り返し被害者の男性たちを「結婚に対して普通の価値観の男性」と表現し、佳苗の異常さを際立たせた。そんな裁判長の価値観は、裁判員の判断に何か影響を与えることはないのだろうか。(p.191) 結局のところ、私たちは、未だに女のセックスや女の容姿、つまりは女であることを取り扱いかねているのかもしれない。なぜ女は体を売って悪いのか、なぜその職業がこんなに貶められているのか、なぜ男は買い続けるのか、結婚に私たちは何を求めているのか、無償のセックスで女は何を得られるのか。女はこの社会でどう生きれば、愛されるのだろう。自由になれるのだろう。(p.206)
- いずみ@moritaizumi2025年3月15日読み終わった2025年3月読了本木嶋佳苗の裁判の傍聴記。もし男女が逆だったら、という著者の疑問について考えさせられる。事件そのものと同様、この本の感想も、男女で違うかもしれない。