新潮 2026年 4月号
10件の記録
ななり@bluebook_mark2026年7月5日読み終わった「丹心」仁科斂 打ち棄てられたマンション棟のことがネットスラングで爛尾楼と呼ばれている事であったり、くまのプーさんが一掃された後に『トイ・ストーリー3』のロッツォがもて囃されるようになった陰謀説がある事、コピー商品大国の中で本物である事が重要視されるラブブや人間らしく喋るAI音声技術等など、鏤められた「へー」となる現在の中国の情報が面白くはあるのだけれど、それが「へー」となる以上の何かを起こすことはなくて、流し見するビジネス番組で得られるものの域を出ていないように私には思える。メインのストーリーももっとドタバタして欲しい。少し真面目に書かれすぎているのかもしれない。因みに丹心は忠誠心という意味もあるらしく、《丹心 中国語》で検索すると、对党对人民一片丹心 = 党に対し人民に対し燃えるような真心を抱く、という例文が出てきて、その中国らしさににやりとしてしまった。
あんどん書房@andn2026年6月15日芥川賞候補作、仁科斂「丹心(まごころ)」を読みました。 都内某大学建築学科の教授・鹿野川航(ししのかわわたる)とその指導学生でアシスタントの青年・レンは、中国浙江省は寧波市の未完成マンション(爛尾楼)を美術館に設計し直すプロジェクトの発注を受ける。 まもなく子が生まれる予定で中国語の話せない鹿野川に代わって先に現地入りしたレンを待ち受けていたのは、前金を払ったが故に自ら部屋(房子)を作り退去を拒む住人たちや、プロジェクトの発注者であるエリート役人のミスQ、その父で地元の富豪であるQ氏といった面々との探り合いのような駆け引きであった。 読んでいて独特だなーと思ったのはそれぞれの人物の心情。例えば唐突に「レンはミスQに嫉妬する」(P53)みたいなことが書かれるのだが、その感情の由来がなかなか推し量れない。 そんな中でも鹿野川とレンくんの関係は、互いに下に見たりしてる部分もありつつ依存もしているという複雑な感じで面白いなと思った。 ちなみにこの二人は前作「さびしさは一個の廃墟」にも登場、とのことで、そちらを読んでいたら関係性はもう少し分かりやすかったのかな。 “お前たちには歴史也没有、一点的丹心也没有(歴史もない、一点の丹心もない)”(P86) というのは美術館の着工パーティーの趣味悪さ?に怒るQ氏の言葉だが、これはつまり世代とか価値観による「丹心」のズレ、みたいなのが書かれた作品なのかなと思う。 そのずれが最も顕著現れるのが終盤、退去反対派に対して鹿野川が土下座する場面だ。彼としては最大限の誠意を見せているつもりなのだが、中国の人々にとってその光景はただ嫌悪感を抱かせるだけで、結果的にドン引きされたことで場は収まってしまう。(調べたところ中国には土下座文化は基本的に存在せず、何してんのこいつ?みたくなるらしい) たぶんレンくんは理想に燃えてるところがあって、あくまで当初通りの美術館を完成させることに躍起になっている。一方の鹿野川は住人退去の話を知り、建築にコンドミニアムを併設しようとしている。その案は実際美術館よりもリゾートを作りたいQ氏一族にとっても都合が良いので、レンは内心で先生の不理解を嘆いている……というズレがあっての、この土下座。レンくん的にはかなり脱力してしまったというところなのだろう。 そう考えると、レン→教授への矢印の大きさが感じられて、関係性小説として読むのが面白い作品だったかもなと思った。
高橋みき@takahashimix2026年5月30日読み終わった今村夏子さんの「先生のおりがみ」 小学1年生のるいの小さな成長を見逃さない繊細な描写! 中盤、奥野先生の畳み掛けすごい! 奥野先生、手を洗う時間が長い→精神の不調? 奥野先生、赤い口紅?!かける兄ちゃん好きになった?と思ったら、かける兄ちゃんは絵里奈先生が?! やはり今村夏子さんの作品は毎回はっとさせられる。大好き!
noko@nokonoko2026年4月2日ちょっと開いた心に残る一節初めて来た図書館で、瀬尾夏美「すべての海を思う」だけ読みました。 「風景を変えることは、私たちを変えることだ」。3年ほど前に夢の島の第五福竜丸展示館で知ったマーシャル諸島の詩人、キャシー・ジェニトル=キジナーの言葉が、彼女に目の前の状況と、復興という名の巨大た土木工事を目の当たりにした陸前高田の人びとの様子とをあらためて、結びつけ、理解させた。 誰しもに語るための時間が訪れますように、と彼女は思う。傷を抱えた人たちのそばに、かならず誰かがいますように。ー2019年に台風で被災した宮城県丸森町の人が、能登半島の被災者たちを思って語った言葉を、我々が日々、もちろんこの旅の道中でも、繰り返し思い出している。 傷ついた人がいたら、まずは、しっかり目を見て話を聞いてあげて。ときおりからだをさすったりしながら、とにかく隣にいること。わたしね、それで本当に助けられたの。だかは、いま辛い思いをしているすべての人のそばに、誰かがちゃんといますようにって、いつも祈ってるのよ。 →川上弘美「あなたたちはわたしたちを夢みる」と、池澤夏樹✖️田口耕平「教室で読む文学」(蝿)も良かった!
JUMPEI AMANO@Amanong22026年3月10日買った読み始めた@ 丸善 お茶の水店特集「歩く風景」が気になり購入。瀬尾夏美さんの「すべての海を思う」めちゃよかった。広島、釜山、対馬。つながっている。








