ヒロポンと特攻

6件の記録
- 高卒派遣社員@hidari_s2025年4月13日読み終わった1950年生まれの著者は大阪府の中学校で社会科教員として働き、退職後は教科書問題に取り組んできた経歴を持つ。 1−4章は戦時中にヒロポンやヒロポン入りチョコレートがどのように製造・管理・使用されていたのかを明らかにしている。1章のタイトルからして「女学生が包んだ覚醒剤入りチョコレート」と衝撃的な文言で読者を引き込む。4章の終わりで「ヒロポン使用証言の少なさ」という見出しのもとに、特攻兵にヒロポンが与えられてもその正体が伝えられてはいなかったこと、注射していた軍医さえもそのことを戦後になって初めて知らされていたことが語られる。 5-11章では太平洋戦争における特攻の実態をつまびらかにしている。実際に命を落としたもの、生還したもの、特攻を命じたもの、それを見守っていた地元住民や当時の日本社会の空気感を著者は抉っていく。 12-14章では戦争責任への向き合い方を整理し、なぜ日本は戦争を始めたのか、今改めて戦争を起こさないために何ができるのかを論じて締めくくっている。 書名にある「ヒロポン」はあくまでも大日本帝国が起こした戦争を振り返るための切り口に過ぎず、本書の主な論点はむしろ「特攻」とサブタイトルの「太平洋戦争の日本軍」にある。「ヒロポン」についての文量は全体から比較すれば若干少ないような気もするが、それでも実際に手に取って読む価値があると思った。 一般的な歴史書に比べて著者の政治スタンスが言葉の端々に色濃いことは否めないが、それだけ反戦への思いが強いのだと受け取っておく。戦後、特攻を指示した側が「反戦」や「平和」のオブラートに包みながら、命を落とした兵士たちを美化していった経緯には背筋が寒くなった。 最後にカバー画像提供は早川タダノリ氏であることにも触れておきたい。
- さや@saya_shoten2025年4月13日気になる戦中の大阪茨木市…言ったことあって好きなお店もある。そんな土地にも戦争はやってくる。 ヒロポン…何となく知ってる。 それが特攻にどう使われたか。 知らずに作らされる。 知ってても使わざるを得ない状況。 あるいは使わされていたのか。 気になるなー。