すべての見えない光 (ハヤカワepi文庫)

8件の記録
- アマヤドリ@amayadori2025年5月31日読み終わった@ Le Village Monge読了。 Netflixのドラマはどちらかといえば盲目の少女を中心にいくぶんロマンティックな感じに描かれていた。小説のほうではむしろドイツ軍に招聘された少年の物語の方に視線が向いた。人生が思わぬところで断ち切られたり、または断ち切る立場となったり、普段なら繋がらない人生がつながったり断ち切られるべきでない縁が永遠に分断されたり……。戦争の物語はいつでも胸が裂かれる思いがする。(同時にやはり今まさに行われている虐殺について考えてしまう) ラジオや手紙で繋がっていた時代はすれ違いのもどかしさや悲しみとだからこそ生まれる物語がある。
- mayu@yatsu_books2025年5月21日かつて読んだ読書日記時代に翻弄されながらも、時空を超えて目には見えない光が紡いだ二人の邂逅シーンには言葉にならない愛しさが込み上げてきます。温かな想いが込み上げてくる一冊。
- Lusna@Estrella2025年4月4日読み終わった熱湯に蛙を入れるとすぐに逃げるが、水の中の蛙ごと鍋を火にかけると、蛙は煮えてしまうという。蛙とは、選ばれし少年たちだったか。死者への憐れみすら、弱さと思い込むほどの。戦争が夢見る人へ与えた打撃。占領された地で、ささやかな抵抗をする勇気がわたしにはあったのか。マリー=ロールのように、自分たちが善人だという一縷の願いをこめて生きていけたか。美しい小説は世界に欠如がある。世界にはヴェルナーという穴が空いている。
- Lusna@Estrella2025年4月4日再読中冒頭ゲッベルスの「我々が権力を奪取すること、あるいは今のように権力を行使することは、ラジオなしでは不可能だったろう」の言、ルワンダの千の丘ラジオを想起させる。