狐花 葉不見冥府路行

7件の記録
- みどり@midori572025年5月30日読み終わった京極作品のエッセンスを凝縮した集大成的一冊 珍しく鈍器本ではないので、忙しい人に京極作品をオススメするならこの本を私は選ぶ (ネタバレ注意⚠️) 女と見紛う美青年、兄と妹、入れ替わりトリックに火事、そして憑き物落とし... 百鬼夜行シリーズで親しんだシチュエーションが満載 そして最後の中襌寺の台詞がまた"らしい"... 欲に振り回されてもその先には孤独しかない 自分の心を正しく見極めるのが大切だという教訓を読み取りました
- 時雨崎@rainstormbook992025年4月16日読み終わった心に残る一節「お前の幽霊は、私が見よう」 珍しく分厚くない京極夏彦。歌舞伎の脚本用の書き下ろしたものなのでサクサク読める。 彼岸花の着物を纏った美貌の男性 萩之介が、とある家とその関係者たちの前に現れる。しかし彼は、痴情のもつれで密かに殺されたはず。彼は幽霊なのか、それとも。 少しずつ明らかになっていく過去の因縁はさすがの話の上手さ。 話の閉じ方が物悲しくやりきれない。憑き物落としをするのは「百鬼夜行シリーズ」の中禅寺秋彦の曾祖父にあたる御方。あれの雰囲気が時代劇的な舞台に、そしてコンパクトにまとまっている。 今後の京極作品布教の候補になりそう。