フーコー入門

フーコー入門
フーコー入門
中山元
筑摩書房
1996年6月1日
36件の記録
  • 自由の哲学 <最後のフーコー>は、パレーシアと真理のゲームという概念が、社会と人々の関係を作り替えていく可能性を秘めたツールになると考えていた。このいずれも、プラトン以来の真理の理論や魂の形而上学の理論とは異なる古代の道徳性の可能性を生かしたものであった。フーコーにとってパレーシアとは、真理を語ることをみずからの生活のスタイルとする実存の美学の行為そのものを意味していたー形而上学的な真理を語るのではなく、真理のゲームの中で、「別の真理」を語ること。そのことによって普遍的なものと信じられている真理の自明性を揺るがし、真理の歴史性を暴露すること。 ラーコーはこれが、人々が社会における支配の関係を少しでも望ましい方向に変えていく可能性を確保する道だとじていた。フーコーにとって哲学とは、政治的、経済的、性的、制度的な支配など、さまざまな次元でさまざまな形で現れる「あらゆる支配の現象」を問題とすることだったのである。
  • この自己放棄の実践を極限まで進めたのが、このキリスト教の告白の技術だった。この自己のへ真理を告白する技術は、その背後に、精緻なまでの自己の解釈学をともなっていた。告白するためには、自己の内面の動きを詳しく解読し、自己の心の秘密の真実を語ることが求められるからである。
  • ローマ帝政の初期に展開されたこの性の道徳においては、「さまざまな実践と鍛練を通じて、最終的に自己を享受できるようにすること」の重要性が強調された。自分が道徳的な主体であることを確認することによって、自己の生き方を美しいと思うこと、そしてその生の美しさを味わうこと、これがこの時代における実存の美学だったのである
  • 快楽の活用ー古代ギリシアの道徳
  • この国家の支配の原理は、司牧者のテクノロジーに基づいて国民を個別化して統治するとともに、生活の隅々までを監視する全体主義の原理を内部に孕むものであった。フーコーは、この原理を批判しない限り、解放の可能性は閉ざされていると考える。
  • フーコーはこの司牧者権力は、国民の生命と安全を第一に重視する福祉国家の権力と、その原理であるポリツァイの理論や国家理性の理論と構造的にぴったりと重なっていると考えている。国家は国民の幸福のためにあると主張することで、国家の統治の合理性を確保しようとする近代の生-権力と、教会は者の幸福のためにあると主張することで、教会と司祭制度の支配の合理性を確保しようとしたキリスト教的な権力は、同じ構造をそなえているのである。すべての国民を絶え間なく監視しようとする生-権力は、信徒の心の中まで覗きこむ司牧者の権力と、瓜二つにみえるのである。
  • @mooNoon
    2026年4月18日
  • 国家理性の理論は、国家と調和しつつ、国家の力を増強する能力をもった合理的な統治という性格をおびる。この理論が目的とするのは、神の法や自然の法との一致ではなく、特定の国家の力と調和した統治を実現することであり、この力を増大させることである。 この理論は、国家の力の拡大を目的とし、そのために住民の福祉を追求することで、ポリツァイの理論や生ー権力の理論と共通している。いずれも統治が自己目的とされているのであり、統治の目的は人間の道徳性でも、人間の救済でも幸福でもないのである。
  • ポリス/ポリツァイ 全体主義国家は、一つのイデオロギーのもとで、国民に一定の規範から外部にでることを許さず、ピラミッド型の統治を行う。しかし近代福祉国家は、一定の範囲でさまざまな逸脱を許すことで、支配の効率と柔軟性を高めている。これは新しい種類の国家であり、との国家は権力を行使する際に、細部にわたる国民の管理を必要とする。
  • ちぇる
    ちぇる
    @kttm05
    2026年4月16日
  • 純粋さを目指す戦争 戦争とは国家が自国民を殺す仕掛け
  • 統治性のプロジェクト フランス革命の教訓は、外的な原理を排除し、理性の内的な合理性だけに準拠しょうとした啓蒙の国家が、テロルの国家に変身するという逆説だった。ファシズムの教訓は、を至高の目的とする国家が、国民を大量に虐殺するという逆説だった。それではこのような逆説はどのような歴史的な経緯によって誕生したのだろうか。この生-権力の出自を系譜学の方法で解明しようとするのが、統治性のプロジェクトである。 フーコーはこの生-権力の歴史的な考察を、<統治性gouvernementalite>という統一的な視点から行う。これは、西洋の社会の政治的な理性の素性と隠れた由来を暴き出そうとする壮大なプロジェクトである(統治性という用語はフーコーの造語であるが、他者の統治である政府 gouvernementと、自己の統治である道徳性の両方の意味を兼ねそなえた言葉であり、フーコーのこのプロジェクトにふさわしい名称だと思う)。
  • 戦争とは二つのことを意味するようになった。それはたんに政治的に敵対する国を破壊することではなく、…好ましくない人種、生物学的に危険な人種を、われわれという人種のために破壊することである。
  • 理性が自己をどのようにして合理化したかを分析することによって、理性批判の根拠を確保できるのではないか。それは理性の歴史を否定せず、理性の別の可能性を模索する道を拓くのではないか。これは、「知の考古学」以来進めてきた政治的な行為の分析を、〈理性の系譜学〉としてさらに深化させるものである。カントは理性の限界を示すために「純粋理性批判」を著したが、理性のこの逆説を解くにはら「政治的理性批判」が必要なのではないか。
  • ここでは権利を求める闘争ではなく、生を求める闘争が政治的に重要な意味をおびる。 人々が自分の欲望に忠実に生きながら、自分たちの生活の現場で、権力のあり方と他者との関係を変えていくこと、よりよき生への欲望を根絶することなく、自己の欲望に忠実であること、そのことが社会を変えていくのである。
  • 性は身体の生というものへの手掛かりであると同時に、種の生というものへの手掛かりでもある。
  • 重要なのは、これらの人々が異常者として社会から排除されたかどうかではない。彼らは自己の欲望の異常さに自ら懸念を抱き、医者を訪れることが多かったということである。権力機構によって排除される以前に、自己の欲望に疑念を抱いた人々が、そのことを自己のもっとも内奥の秘密としながら、それを他者に語らざるを得ないような仕組みになっていることである。これは近代の社会において、性において自己の真理とアイデンティティを見いださざるを得ないような〈からくり〉が出来上がっていることを示すものである。
  • 性のテクノロジー 女性の身体のヒステリー化、子供の性の教育化、生殖行為の社会的な管理、性倒錯に対する医学的な関与という四つで検討
  • フーコーがここで描く学校や病院や監獄の制度は、もはやみえざる眼に監視されたパノプティコンの制度ではない。互いに秘された欲望によって結びつけられ、「権力と快楽のゲーム」を楽しむ人々が棲息している空間、みずから権力を行使し、権力を行使される権力と欲望の主体がゲームを繰り広げる空間である。
  • アイデンテティとは抽象的に形成されるものでも、自己のもっとも内奥の場所で密やかに形作られるものでもない。自己のアイデンテティとは、他者との関係において初めて形成されるのである。
  • 性(セクシュアリティ)の問題化 -権力はどのような言語表現に沿って、個人のもっとも私秘的な行動の水脈にまで忍び込んでくるか -権力はどのような方法で、異様な形態の欲望、あるいはほとんど知覚されないまでの欲望を捉えることができるのか。 -権力はどのようにして日常の快楽に浸透し、それを統制しているのか。
  • 文学についてはあまり書いてなかった
  • Yuu
    @detour4721
    2026年1月14日
  • キユ
    @kiu_
    2025年12月29日
    先々週くらいから読み始めた
  • Atsushi Ito
    @ukajun
    2025年10月1日
  • ss
    ss
    @srkwsy
    2025年9月20日
  • 夕方
    夕方
    @hinemosu_sususu
    2025年9月2日
  • 権力を、ある階級間で働くものや国家によって行使されるものではなく、「社会の内部で普遍的に働くもの」と考えることで、「学校や会社やさまざな制度と組織の内部での権力の装置」が可視化された。 この後に、フーコーの権力理論に一貫する点として「自己の思想を真理として提示するのではなく、読者が生きる上で役立てることのできるツールとして提供するという姿勢」と続く。 うわー、なるほど、私がフーコーを通り過ぎつつもずっと引っかかりを覚えていたのはそういうことだったのか?!
  • これまで断片というかもはや薄皮しか理解していなかったフーコーの思想が少しずつわかってくるような気にはなる。でもそうなのかはまだわからない。 「歴史の目的性の批判」は、今の私には響くテーマかもしれない。改めてこの本を手に取るきっかけになった「ディスクール」の話も出てきて、わからないながらも面白い。
  • ずっと視界に入っていたのに何故か手に取らずに来たのだけど、自分の中の感覚的でぼんやりとした理解を少しくっきりさせたくて、とりあえず入門から。
  • 7th-nights
    @joyful-blue
    2025年3月11日
  • しまお
    しまお
    @2shima9
    2025年3月7日
  • 晩秋仁
    晩秋仁
    @Bansyu
    2025年1月1日
  • しがない
    しがない
    @ooe
    1900年1月1日
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