永遠と横道世之介 下
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torajiro@torajiro2026年7月12日読み終わった横道世之介シリーズがついに完結。ついに、とはいっても第一作の時点で世之介の結末は示されていたし、続編があるとも思っていなかったので、第二作、そして今回の第三作と続きが読めたこと自体、思いも寄らなかった幸運という感覚です。今回も読み進めて終わってしまうのがもったいなくなるような多幸感に溢れた読書時間を楽しませていただきました。 今回は世之介39歳ということで、今年40になった私としては時代設定はやや異なるもののほぼ同世代の話として自身へ重ねたり重ならなかったりしながら読めたのも楽しかったです。 「なんでもない日常に幸せはあったのだ」と、そう書くとなんとも陳腐になってしまい、この小説と主人公世之介の魅力を言葉にするのは難しく感じます。シリーズ全編を通して人生讃歌であることは間違いないのだけど、今作は特に病で亡くなった恋人であるニ千花とのシーンや、後輩のエバと咲子が子を授かることであったり、世之介の人生観というか死生観のようなものが言葉にされる部分も多く、人生の幸せをより明示的に感じさせやすい作品になっています。「永遠と横道世之介」というタイトルの回収も素晴らしく、シリーズの締めくくりに相応しいあたたかな終わりであったかと思います。映画化も進んでいるということでどんな作品になるか今から楽しみです。 それにしても今作の地の文もなかなか独特ですよね。ナレーション風の『国宝』ほどにはわかりやすくはないし目立ちもしないのだろうけど、時にメタ的な記述も含む独特な三人称視点の地の文が本作の雰囲気全体を支えていて、さすがの吉田修一でした。
たご@clan_19672026年6月29日読み終わったなんでもない毎日こそが幸せだった、なんて、かっこつけて言うことない。なんでもない日は、本当になんでもない日なのだから。けれど、十年後、二十年後、振り返ったとき、なんでもない日の中に埋もれていたはずのちょっと特別な日が、きらきらと輝きはじめることがある。明日には忘れてしまうような鈍い輝きかもしれないけれど、その輝きは、きっと消えることはない。その光に気づく日まで、リラックスして、やる気を出したり出さなかったりしながら、ゆるゆると生きてみたっていいじゃないか。












