ペンギンは空を見上げる (創元推理文庫)

8件の記録
- ユメ@yumeticmode2025年6月19日読み終わった感想主人公・ハルのとある特性が終盤で明かされたとき、あっと驚かされた。読み進める中で台詞の描写に些細な違和感を抱いてはいたのだが、その正体には思い至らなかったのだ。こういう仕掛けは映像ではなく文章ならではだと思うと、心が沸き立つ。 その一方で、自分の努力ではどうにもならない理由で夢をひとつ諦めなくてはならなかったハルのことを思うと、胸が痛む。タイトルの意味が静かに胸に沁みていった。自分の力で風船ロケットによる宇宙撮影を目指し、新たな夢のためにもがくその姿はとても眩しく、思わず「頑張れ、少年」と声を掛けたくなる。君の宇宙を、どうか自由に泳いでいってほしい。
- 葉鳥@kihariko2025年3月23日読み終わったこんな形で衝撃を受けるとは思いもよらず…。 だから、そういうことなのか。 だから、『ペンギンは空を見上げる』なのか。 読みやすくストレートに胸に響いてくる作品。 これは作者あとがきで知ったことだが、坪田譲治文学賞というのは「大人も子どもも共有できる世界を描いたすぐれた作品」を選出する賞らしく。 本当にその通りで、幅広くいろんな世代の人におすすめしたい1冊だった。 もう1つ著者紹介でようやく気付いたこと。 以前から好きな作品として話題に上げている方が多くて気になっていた『ナイフを胸に抱きしめて』の作者さんなのですね…! 本作を機に他の作品も読んでみたい。