食堂かたつむり

19件の記録
かのこ@ta_kanoko2026年7月18日読み終わった丁寧な暮らし系お食事処営業物語はいくつか読んできたけど、可愛がっていた豚を屠殺・加工・調理してお客様にお出しする話はこの本が初めて。 「姿を変えて、また新たなステージの第一歩を歩み出す。今度は人間の体に入って、中からその人を元気づけてくれる。命が継承され、慈しまれる。」 の文が印象的だった。 私の体の中には、一体どれだけの命が存在するのだろう。 有機栽培?無農薬野菜? 添加物入り?化学調味料? どんな環境で育てられた動物のお肉? そんな些事はまず置いといて。 ヒトは食べねば生きていけない。 食べるとは他者の命をいただくこと。 命を分けてくれた植物や動物への感謝をはじめ、 植物や動物を立派に育ててくれた生産者さんへの感謝、 私たちが素材を手にできるまでに携わった人々への感謝、 美味しく料理してくれた人への感謝を改めて想わされる作品だった。 命をいただいた以上、私も思い切り命を生きなくては。

サブレとポッポの往復書簡@snowflake2026年5月24日読み終わった心に残る一節主人公の倫子が抱える様々な問題は、どれも客観的に見ても重くて深刻なものなのですが、反面、話の展開は概ね長閑で穏やかな雰囲気を保ちながら進んでいきます。小川糸さんの作品全般にいえることですが、この作品もとりわけ里山の情景や出てくる人物に対する描写が丁寧です。表情や仕草の機微のみならず、思案や心情の揺れ動きに至るまで、とかく非常に丁寧に綴られています。 また、ショックによるストレスから声を出せなくなったという倫子の諦念、捨てられた絶望感から生きる力を失ったウサギの様子、そして終盤に描かれる母への消えない後悔を抱えたままの心については、かつての自分自身が抱えた困難とも重なる部分が少なくありませんでした。だからこんなにも倫子にもウサギにも感情移入出来たんだろうなって、読み終えたあとの付箋や書き抜きの多さに、ふと改めて思うのです。










