すばらしい新世界〔新訳版〕

23件の記録
- きみてる@kimiteru2025年9月16日読み終わった面白かった!一見してみると人々の幸福は達成されているけれど、達成のあり方に感じる違和感がユートピアでなくディストピアにしていると思った。この世界における幸福が社会という構造によって規定されているものであり、個人が自己的に選択したものじゃないところに作中世界の歪さがあると考えた。
- いっぴきたぬき@lone_tanuki2025年9月15日読み終わった産まれる前から一人ひとりの人生が階級によって運命づけられていて、しかもそれぞれが自分の属する階級にいることに満足している、極めて幸福な社会。 嫉妬や自尊心といった人間の幸福を大きく左右しうる感情に対する著者の観察眼と構想力に畏れいる。 万民の幸福を目指す徹底管理型の全体主義社会が、いかに奇妙で不気味であるかが皮肉たっぷりに描写される。 主人公の一人が、このすばらしい文明社会ではあり得ない、その文明に生きる人々には理解できない行為をしたことをもって物語の幕が閉じる。これは普段の我々が忌避するはずの「その行為」をすることができる、ということが全体主義に対する自由主義の最大の特徴であることを示唆している。 裏から言えば、「その行為」による犠牲者を失くすことを社会の第一目標に掲げるとするならば、この奇妙で不気味な幸福社会の建設を真剣に検討すべきだ、ともいえてしまうのである。 ハクスリーは本書を通じて、幸福を安易に目指すのは不合理ゆえの人間の尊さを損なうから自由を堅守しよう、とばかり言いたいわけではないと思う。むしろ、現在の我々から見ればいかに悍ましいものであったとしても、幸福な全体主義への誘惑を振り切ることはできない、という諦念を表明しているように感じられた。
- 高尾清貴@kiyotakao2025年5月9日買った読んでる本でオーウェルの1984年と並べて引用されていて気になった。 1984年は本を禁じる人を恐れた物語。こちらは人々が本を読みたいと思わなくなり、本を禁じる理由がなくなったディストピア、とのこと。 訳が何個か出ているが、三体の訳をした方のこちらを選んでみた。
- まお@mao_ssss2024年8月28日読み終わった私はSFが苦手だと思い込んでいたんですがこういう世界は大好きで、まあハーモニー好きなのであたりまえに大好きで、憧れもあって。みんながしあわせ、そんな世界、嬉しいじゃないですか。選択の自由はなく、全ては自明に進んでいく。いいなー
- RIYO BOOKS@riyo_books2023年9月23日読み終わった知識は最高の善であり、真実には至高の価値がある、他のすべては、それに従属する二次的なものにすぎない、と。たしかに、その当時でさえ、すでに思想が変化しはじめていた。真実と美から、なぐさめとしあわせへ。わが主フォードその人も、この移行に多大な貢献を果たされた。大量生産がこの移行を求めた。社会という車輪を安定的にまわしつづけるのは、万人の幸福だ。真実や美に、その力はない。そしてもちろん、大衆が権力を握ったとき、問題になるのは真実と美ではなく、幸福だった。