話してあげて、戦や王さま、象の話を

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まめご@mmg_862025年12月16日読み終わったすごく面白かった。 Readsを始めた年の最後に、Readsでこんな素敵な本に出会えたことが嬉しい。 16世紀初頭、オスマン帝国のスルタンから橋の設計をするべく首都イスタンブルに招かれたという史実に基づく、ミケランジェロの、あくまで架空の物語。 イスタンブルの街や行き交う様々な人の描写、途中で差し挟まれる女性のリリカルな語りが美しい。 西と東、キリスト教とイスラム教、様々な人種や言語、文化が混ざり合うこの時代のイスタンブルを彷徨い歩くように、ミケランジェロの滞在記を楽しんだ。 と思っていたのだけれど、終盤、物語は一気に色を変える。 それまで深い意味など感じずに読み流してきた要素が実は伏線になっていたと気づいて、ページを遡らずにいられなかった。 12月の忙しなさから現実逃避をするように、隙間時間にちょこちょこ本を開いていたけれど、最後は思わず一気読み。 それでいて、余韻に満ちた読後感を噛みしめるように味わえもした。 小説を読む醍醐味に溢れた1冊だと思う。










