暴君――シェイクスピアの政治学 (岩波新書)

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Moonflower@Moonflower02262026年4月26日読み終わった第7章 唆す者 〜 結部 【感想】 一読、あまりの面白さに驚嘆した。 「暴君」の登場するシェイクスピア戯曲を(だいたい発表順に)俎上に載せながら、暴君の発生過程や周辺環境、性格や行動パターン、暴君への対抗策などが抽出されていくのだけど、その手際(語り口)があまりに鮮やかで一気に読み進めてしまった。 登場する戯曲は順に 『リチャード二世』 『ヘンリー六世』(三部作) 『リチャード三世』 『マクベス』 『リア王』 『冬物語』 『ジュリアス・シーザー』 『コリオレイナス』 となっており、著者は自在に引用しながら「暴君とその周辺」を実に巧みに描き出していく。 読んでいて、現代と通じるものばかりで人の世の変わらなさに妙な感慨さえ覚えてしまったのだったがしかし、今まさに「暴君」が世界のいたるところで(規模の大小を問わず)暴れまわっているだけに身につまされるどころではなく、いかなる抵抗が可能にして有効なのか、考えざるを得なかった。 さておき、ここまで面白いと著者には他のテーマ別類書を期待したくなってしまった。それと同時に、シェイクスピアの途方もない天才にあらためて腰を抜かすしかなかった。




