天帝妖狐
19件の記録
陽@halreads242026年8月16日再読小中学の時に乙一にどハマりし、その時に読んだ本の一つ。『MASKED BALL〜』は以前再読したが『天帝妖狐』がどんな内容か忘れてしまっていたので今回はこれを再読した。 今更ながら「MASKED BALL」が仮面舞踏会という意味であることを知った。仮面。それは『天帝妖狐』でもキーワードとなっていた。獣と化した夜木が纏った狐のお面だ。もっといえば、秋山の加虐心を隠すような小綺麗な格好、嫌悪感を抱きながらも接しようとする周囲の人間、ペルソナといっていいかもしれない。 人間とは何なのだろうか、何をもって人間というのか。それは度々見かけるテーマであり、本作も例外ではないだろう。私は、秋山たちよりも夜木の方が人間であるように感じた。人間であるからこそ、復讐ではなく快楽が目的で人を傷つけたことに絶望したのだ。救いを神に求める。人間であれば当たり前のことだろう。ただ、日本には八百万の神がいる。(人間にとって)良い神もいれば悪い神もいる。早苗はおそらくそのうちの一つだったのだろうと思う。 「永遠の命が欲しければ子どもとなれ(=異形の体を与える)」、猿の手のような話だと思った。人智を超えた存在は人間のような解釈はしない。どんな形であろうとあくまでも願いは叶えてやるというやつだ。早苗の意図や正体は不明のままだ。「1人で狐狗狸さんを行う」という禁忌を犯した夜木への罰か、はたまた、自分に触れ、純粋に死に怯える夜木少年を助けたかったのか。それとも、夜木がそうなってしまったように、早苗も快楽のために夜木を永遠に苦しませたかったのだろうか。あらゆる可能性が頭に浮かぶ。


















