秋雨物語
14件の記録
記憶の本棚@kioku-no-hondana2026年7月28日読み終わった『人間のどろどろした思いがあるからこそ、それが幽霊という形をとって現れた時にぞっとする。人間の怖さと幽霊の怖さは、表裏一体のものだと思うんですね』 --------------------------- これは作者がこの作品のインタビューにて話していた言葉。まさにその人間の業がもとになって、主人公たちは否応にも逃れられない恐怖の世界に引き込まれていく。 4種類の不条理な運命にもてあそばれる絶望が味わえる。 収録作は「餓鬼(がき)の田」「フーグ」「白鳥の歌(スワン・ソング)」「こっくりさん」の4編。扱われているモチーフは多彩だが、主人公が抗えない運命に翻弄され、苦しめられるという共通点がある。 中でも「フーグ」は読み終わってからじわじわと恐怖が増してきて、最高だった。
片刃@kataha4622026年2月4日読み終わった餓鬼、転移現象、絶唱のレコード、こっくりさん……いずれも漠然とした不気味さを醸し出していた物/現象が、クライマックスで急速に鮮明な恐怖の形を見せてくる。それぞれは完全に独立した物語ではあるが秋雨でゆるやかに繋がっているのがコンセプトだが、その繋がりすら不気味に思えてくるから不思議だ。
いちのべ@ichinobe32026年1月30日読み終わった『白鳥の歌』、『こっくりさん』読了。 『こっくりさん』の「ロシアンルーレットこっくりさん」という発想がもう面白いし、恐ろしくとも未知のルールのゲームに身を投じずにはいられない人々の哀しさと愚かさよ。 そして最後にきちんとルールを解説してくれるサービス精神! 解説に書かれていた、「何もわからないときよりも、すべてが明らかにされた後のほうが怖さが込み上げてくるという構造(p300)」を、個人的にはいちばん実感できる小説だった。 また、「卑小な人間を遥かに超える巨大なものが存在している、というのが貴志作品の世界観(p299)」という面でもホラーに関する自分の嗜好に合致すると判ったので、引き続き貴志祐介作品を開拓していこう。
いちのべ@ichinobe32026年1月28日読み始めた『餓鬼の田』、『フーグ』読了。 『フーグ』で青山が追い詰められるホラー的な展開は根源的な恐怖心に訴えかけ、さらに謎解き部分の丁寧な伏線と鮮やかな回収が印象深い。 『餓鬼の田』のあっさりとした残酷さも好きだった。
よしい@Yoshe2072025年11月6日読み終わった淡々とした語り口に導かれていくうちに、いつの間にか逃げ場のない絶望の淵に辿り着かされていて、そのことに気付いたときには手遅れになってしまっているような、夢から醒めた後も恐怖が拭い去れないくらいのひどい悪夢を見た時に近い感覚になる一冊だった。得体の知れない恐怖、というよりも、この途方もない恐ろしさを自分はずっと昔から知っている気がする、と思わされるような根源的な怖さ。







