本心

16件の記録
- noko@nokonoko2025年8月26日買った読み終わった心に残る一節僕は、母の心を、あくまで母のものとして理解したかった。ーーつまり、最愛の他者の心として。 すっかりわかったなどと言うのは、死んでもう、声を発することが出来なくなってしまった母の口を、ニ度、塞ぐのと同じだった。僕は、母が今も生きているのと同様に、いつまでもその反論を待ちながら、問い続けるより他はないのだった。わからないからこそ、わかろうとし続けるのであり、その限りに於いて、母は僕の中に存在し続けるだろう。 それでも、生きていていいのかと、時に厳めしく、時に親身なふりをして、絶えず僕たちに問いかけてくる、この社会の冷酷な仕打ちを、忘れたわけではなかった。それは、老境に差し掛かろうとしていた母の心を、幾度となく見舞ったのではなかったか。 何のために存在しているのか?その理由を考えることで、確かに人は、自分の人生を模索する。僕だって、それを考えている。けれども、この問いかけには、言葉を見つけられずに口籠もってしまう人を燻り出し、恥じ入らせ、生を断念するように促す人殺しの考えが忍び込んでいる。勝ち誇った傲慢な人間たちが、ただ自分たちにとって都合の良い、役に立つ人間を選別しようとする意図が紛れ込んでいる!僕はそれに抵抗する。藤原亮治が、「自分は優しくなるべきだと、本心から思った」というのは、そういうことではあるまいか。 「俺は、今でもおかしいと思っているよ、この世の中。」と、また、岸谷の言葉が過った。僕はそれに、何度でも同意する。ただ、その世の中を、僕は彼とは違った方法で変えたかった。それが出来るなら、僕はせっかく良くなった社会を、大切にしたいと思うだろう。それを壊してはいけないと、心から信じられるはずだった。
- もちこ@mochiko247242025年5月25日読み終わったどんどん自分の心の奥底に沈んでいくような読み心地だった。朔也が探っていく本心は、一体どこにあるんだろう。 見えない洞窟の中を、手探りで進んでいくような感覚。 AIが何もかも答えを提示してくれるわけではない。結局、リアルに生きる人間が、人を救うのだ。
- hiroko.yane@komischrk2025年5月8日母の本棚母の通ってる美容室の2階はカフェが併設されていて、その片隅の本棚には「だれでも自由にお持ち帰り下さい本」コーナーがある。そこから母が連れて帰ってきた本。
- もめん@nono_200008142025年4月6日買った死×AIと、なんとも現代に有り得そうなテーマ。舞台は2040年代らしい。AIについては疎いけれど、参考文献の欄に『安楽死・尊厳死の現在』、『高瀬舟』等載っていたから手に取った。後々平野さんか〜、となった。