文学熱の時代
4件の記録
かさや@kasaya_77212026年1月31日読み終わった本書の価値は、従来文学という枠組みから検討されてきたこの時期の文学の変遷を、枠外の文脈と結びつけて論じたところにあるだろう。 特に、第二部の自然主義の隆盛の理由を論述した箇所は、これまでの自然主義史観を塗り替える営みにもなっている。豊富な資料を扱っているので、説得力もある。
Ryu@dododokado2025年11月16日かつて読んだまた読んだ「自然主義と教育界──正宗白鳥「何処へ」を中心に」がおもしろい。「政治小説」からリアリズムへ──「慷慨から煩悶へ」──の移行を丁寧な資料探索によって裏づける。そこに示されるのは、日露戦争後の「道徳」という国家的一元性の強制に対抗するために練り上げられた、「非道徳」な青年の内面。内面という私的領域の確保の背景には、同時代の国家統制的な状況があった、という理路は他の論文にも応用できる枠組だと思う。
