

駄駄野
@enmr310
読書は良いものです。続けていきたいものです。
- 2025年9月29日錆びた滑車若竹七海読み終わった葉村晶シリーズはもう一気読みできてしまう。 ふと、なんで葉村晶は『不運』なのだろう、と考えてみた。 それは、葉村さんがとにかく他人の悪意を放置しないからなのだと思う。その悪意によって苦しめられたり悲しんだ人間がいる以上は絶対に。臭い物には蓋をせず、絶対に妥協しないから、毎回毎回この人は不運なのかもしれない。 そこがまた葉村さんの愛おしいとこなのだけど。
- 2025年9月27日夏への扉〔新版〕まめふく,ロバート・A・ハインライン,福島正実読み終わった54年から見た70年と00年の描写が面白い。あと、最後の方でのダンの未来に対する希望的観測があまりに眩しかった。ピートかわいいよピート。
- 2025年9月20日大穴ディック・フランシス,菊池光読み終わった洗練された料理を食べて、満足した時の感慨に近い。 ハードボイルド小説というのか、派手な事件もトリックもない。主人公は靴底を擦り減らしながら地道な捜査で、卑怯なやり方で競馬場を潰そうとする連中を追い詰めていく。 本作の面白みの一つが、主人公シッド・ハレーに注がれる周囲の視線にある。 ハレーはかつては一流騎手として華々しい戦績を誇った人物で、それだけでなく探偵社に勤務するうちに探偵としての観察眼も鍛えていた。だけど、競馬にさほど興味のない敵は、身長169cmほどの彼を「学のない、左手の不自由な小男」として侮る。ハレー自身も、敵が自分を侮るその視線を利用して、敵の懐に飛び込み証拠を掴んだりする。 作中内の人間関係も魅力的。顔に大きな傷がある女性が、左手に大きな傷のあるハレーとの交流を通して、自身のコンプレックスを乗り越えていくところとか。 あと嘉納治五郎は気づいた瞬間爆笑した。
- 2025年9月14日鼻下長紳士回顧録(上)安野モヨコふと思い出した何度も読み返してる「変態とは、目を閉じて花瓶の形を両手で確かめるように、自分の欲望の輪郭をなぞり、その正確な形をつきとめた人たちのことである」 主人公のコレット同様、私も趣味で小説・日記を書いている。別に小説家に本気でなりたい訳でも、誰かの評価を得たい訳でもなく、内側に沸き起こる『何か』を形にしたい衝動に駆られて、なにか書いている。 ただその中で、「これが私の書きたいこと、思っていることなのだろうか」「体のいい言葉、安易な表現に逃げていないか」という壁にしばしばぶち当たる。 自分の中に『花瓶』があると思ってたけど、でももしかしたら無いのかもしれない。だけれど、本当はそんなもの、誰も最初から持っていなくて、何かを創ろうと継続していくうちに、それが自分の中の『花瓶』になっていくのかもしれない。 …と、なんかお堅い感想文になっちゃったけど、安野さんの描かれる女体が最高すぎるのでエロ目的で読んでも全然良いと思う(おいこら)
- 2025年9月1日異形のヒグマ OSO18を創り出したもの山森英輔,有元優喜読みたい
- 2025年8月31日後巷説百物語京極夏彦読み終わった岡本綺堂の半七捕物帳みたいに、好好爺となった百介の元に若者たちが集い、話を聞くというスタイル。やはり印象深いのは最後の「風の神」。余韻が素晴らしい。 度々百介さんはご自身のことを卑下するけれど、又市さんらは百介さんが思ってるよりかはずっと大事に思ってるのではなかろうか。 あと与次郎、鵼読み返して気づいたけど、貴様抜け駆けしたな。
- 2025年8月24日涼宮ハルヒの劇場いとうのいぢ,谷川流最初に読んだ時は全然年上だったSOS団メンツもすっかり一回り年下に(嘘だろ) 雪山症候群でキョンが言ってた「どこか異世界に行った時の記憶」がこれ。分裂と驚愕読んだ人間には『ああ、あの人の親玉…』とわかる。 メタ的な目線で言うと、前回の直観同様箸休め巻といった印象。何年かかっても良いのでまた長編読みたいです先生。
- 2025年8月10日興奮ディック・フランシス,菊池光読み終わった競馬シリーズのはじめ。最近、息子が書いた新作が出たので、数年前に途中までしか読まなかった奴を読み返す。本来の性格、身分とは違う人間を演じる中で、本当の自分を見失いかけたり、自尊心に疑いを持つ主人公の心の葛藤が興味深い。あと知略を尽くして黒幕の手口を探る様子は読んでて面白い。
- 2025年7月14日静かな炎天若竹七海読み終わったなんだろう、葉村さんが巻を進めるごとに可愛くなってる気がするのは(笑) やっぱり富山店長との掛け合いが(葉村さんには申し訳ないけど)、面白いのだ。『血の凶作』のラストは私も「ん?」と思って、多分こういうことかな?とあたりを付けて、試しに他の人の感想を検索したら色んなのが出てきた。でもそれが読書の在り方というものなのかも。
- 2025年7月11日毛筆版 くずし字解読辞典 新装版児玉幸多買ったお値段張ったけど買っちゃった…。学生時代、中古の授業でこういう辞書と睨めっこしていたのが懐かしい。美術館博物館とかで、くずし字を読む時「あれ、この字、習ったはずだけどなんて読むんだっけ??」が頻発したので買っちまいました。パラパラ読むだけでも楽しい
- 2025年6月24日営繕かるかや怪異譚 その参小野不由美読み終わった微ネタバレ注意大好きなシリーズ。好きな話は「歪む家」。綾辻行人さん(小野さんとはご夫婦)のTwitter(現X)で、小野さんお手製のフェルトで作られたモルカーを見たことがあるが、こういう手を動かして何かを作る作業がお好きなのだろうか。 辛い記憶をドールハウスの中に閉じ込めて、焚き上げて浄化させようとしているのだろう、という和尚さんの言葉に自然と涙が出そうになった。
- 2025年6月15日読み終わった源氏物語はただ華々しい男女の恋愛の話ではなく、そこには悲哀や、現代人から見ても理不尽、不道徳的とも言えるような内容も書かれてあって、絵空事を書いて人を惑わしたが故に紫式部は地獄に落ちた、などという話もある。じゃあ、紫式部はそんな不道徳的でエロい話を書きたくて書いたかと言えばそんなことはないと思う(数割くらいあったかもしれないけど)。 理不尽でやるせない、不道徳的な話を忌避する人もいるけれど、それで救われる人もまたいるのだと思う。人間、全てを正しく生きていたくても、それが出来ないが故に。 浮舟の出家をやるせない、薫と再開できないのを不満に思う読者もいるかもしれないけれど、この最期のシーンで救われた読者もいたのかもしれない。もしかしたら作者も。
- 2025年5月18日私の孤独な日曜日月と文社気になる
- 2025年5月18日
- 2025年5月17日さよならの手口若竹七海読み終わった土砂降りで外に出るのを躊躇う休日、1/3くらいまで読むかな〜と思って進めて行ったらいつの間にか読了していた。一体何が起きたと言うんだ…?(二度目) 葉村晶は長編でも期待を裏切らない。むしろ、長編こそその真価を発揮するのだと思う。人間関係と書いてりふじんと読む、とは作中の彼女の言葉だけど、それでも傷付いたり弱ったりしている誰かのために満身創痍で働く彼女を見ると、自分も頑張ろう、と言う気持ちになる……いや、やっぱりあそこまでの無茶はできない
- 2025年5月11日
- 2025年5月10日暗い越流若竹七海読み終わった「最初の一編だけ読もう」と思ってたら、いつの間にか全部読み終わっていた。何が起きたと言うんだ……? 私の好きな探偵・葉村晶のシリーズものが入ってると聞いて購入。葉村シリーズは最初の「蝿男」と最後の「道楽者の金庫」で、間に挟まる表題作を含めた3作はノンシリーズもの。この構成で本当に良かった…。葉村さんの魅力は、人間の悪意を受けても怯まず腐らない、その人間性にあるのだと再認識する。
- 2025年5月6日
- 2025年4月6日聖女に嘘は通じない日向夏,しんいし智歩読み終わった薬屋が好きだったのと、漫画の試し読みで続きが気になり小説版なら完結していると聞いて、こっちを購入。物足りなさを感じる人もいるかもしれないけれど、個人的にはこの作者ならではの『お約束』が出されていてとても満足(醤油ラーメン専門店に行って、待ち望んでいた醤油ラーメンがちゃんと出てきた満足感)。続編は出ないのだろうか。
- 2025年3月22日
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