ブラック・ティー
10件の記録
津見@tmr_kr2026年1月2日かつて読んだ高校時代、妹の「月刊カドカワ」を借りて、パラパラと見るともなしに見るうちいつのまにかひきこまれた。真ん中あたりに載ってる短編小説だ。話の冒頭に戻り読み始める。 仕事をクビになった若い女性が、山手線に毎日乗って、網棚の上の忘れ物を盗んで生計を立てるお話。他人の忘れ物をさり気なく手に取る、そのやり方の描写がリアルで、こんなふうに生活できるものなのか…とつい思わされる。静かなお話が心に残り、本になったら買おうと思ったのに、著者名を忘れてしまった。 それから数年後、山本文緒の短編集「ブラックティー」にこの話を見つけ、私は興奮した。表題作だったので、山本文緒もこの作品を気に入っているのではないかと思った。 翌週、学校の実習の合間に待ち時間ができ、さほど仲良くない同級生と2人で、時間をつぶすはめになった。苦し紛れに、この短編の話をしてみる。 相手は適度な相槌を打ってくれる。気づくと熱く語ってしまっていて、大事なシーンに突入しようとしていた。その時、相手が 「〇〇さん(私)て、物知りだよね〜」 と言った。 え、何を言ってるのだろう?と思ったが、その人がうすら笑いを浮かべていたので、皮肉だとわかった。話を切り上げ、ストーリーは尻切れトンボになった…。 あれから何十年もたち、今は本の感想を書き込める場所があるし、聞いてくれる友達もいる。ありがたいことです。 追伸 「その話つまんない」と言うかわりに「あなたって物知りだよね〜」と言う、そのセンス、めちゃ意地悪。今から昔に戻って「オイ、そんなヤツに山本文緒を教えてあげる必要ないぞ」て自分に言いたい。















