揺れる輪郭

揺れる輪郭
揺れる輪郭
グレアム・マクレー・バーネット
早川書房
2025年5月22日
14件の記録
  • oheso
    oheso
    @oheso
    2025年10月5日
    サイコセラピストであるブライスウェイトの研究を進める、本書の書き手らしき「私」。ある日、ブライスウェイトに治療を受けたという匿名女性の記録ノートが届くのだが…。 「だれかによって書かれたもの」が避けがたく帯びてしまうフィクショナルさと、「だれかを演じながら輪郭を濃くしていく個人」の頼りなさゆえの強度。その揺れに居心地の悪さを感じるが、その歪さが生の実感を強調してくれるのも事実だった。
  • さ
    @chiru144
    2025年8月13日
  • 翠
    @noctambulist
    2025年8月1日
    異端児と呼ばれた精神科医の伝記と、彼の治療と姉の自殺との関係をさぐる女性の手記。信頼できる情報をどうにか選り分けようとしてしまったけれど、果たして物語における事実とはなんなのか。虚構の現実性と現実の虚構性、統合し得ない自己に思いを馳せた。
  • 火星
    @achimumi
    2025年7月26日
  • 白玉庵
    白玉庵
    @shfttg
    2025年6月26日
  • GMB(著者のイニシャルと同じ)が書いたブライスウェイトという忘れられたセラピストの伝記部分と、執筆過程で送られてきた元患者のノートが組み合わされ、そこに序と後記がつけられたメタフィクションの構成になっている、実に凝った小説だ。ノートから、作り上げた人格が「本来のわたし」と入れ替わっていくことが主題のようにも見えるが、そうであるなら伝記部分が多すぎるような気がする。そこで実は1960年代のイギリスを皮肉に(?)振り返ることが隠れたテーマなんじゃないかなどと考えたけれどどうだろう?
  • 黒井 岬
    黒井 岬
    @caperoy
    2025年5月28日
    5月に読んでいたのになぜかこちらにメモできていなかったぽい 分離してゆく自己が物語を走らせる、我々はしかし日々を通じて、どれほど統一されているんだろうとも思う。 あの人は本当に存在したのだろうかとか、物語の中の現実が振り返るほどに何層にも覚束なくなっていく、なかなか無い読後感。 心理士をやっている近しい人にも読んでもらって感想が聞きたい。 デュ=モーリアの『レベッカ』が度々言及されていて、小説も読んでヒッチコックの映画も鑑賞済みなので懐かしく思い返した
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