肉体のジェンダーを笑うな
7件の記録
喬林@unnatural_672025年11月17日読み終わった微量のSF成分を感じる短編集。今より性差が小さくなった世界の話を読んで、人間って想像以上にアイデンティティの多くの部分を自分の性別に支配されてるのかもしれない、とぼんやり考えた。『父乳の夢』で哲夫が「妻」ではなく「もうひとりの親」という言い方をしたのが印象に残っている。SNS上では育児における夫の信じ難いような蛮行エピソードが日夜問わず流れてくるが、そういう人間をパートナーに持つ人は「もうひとりの親」がいなくてさぞ大変だろうなと思った。

夏しい子@natusiiko2025年3月6日かつて読んだ特に『キラキラPMS(または、波乗り太郎)』の後半がとても良かった。 どの作品も全体的に、女性側に理解を示そうとする男性と独立心のある女性の夫婦の話。 ちょっと変わったお話に感じるが、これぞジェンダー小説という満足感もあった。 どの作品の女性も忍耐力と包容力があるように思えたのは気のせいだろうか、それともリアルの女性たちが男性を見限るのが早いのだろうか。
橘海月@amaretto3192021年11月6日読み終わった三つの中編「父乳の夢」「キラキラPMS(または波乗り太郎)」は男性視点からの意識の変化に、共感できるようなできないような、でも気持ちはわからなくもない絶妙なバランス。特に母乳ならぬ父乳が出る主人公の心境の変化はとてもリアルだった。 妊娠出産を経験することのない父親が「育児」と向き合った時に、最初はミルクも立派な育児だと思っていたはずなのに、自身に父乳が出る状況になると「ミルクを足さず父乳だけでやれたら」と思い「卒乳したくない」と一人キッチンで泣く。知らず知らず価値を置いてしまう、その気持ちがよくわかる。 一方「笑顔と筋肉ロボット」は、筋肉が少ないひ弱な女性として生きている私として身につまされる内容だった。誰かに手伝ってもらえる側は、ずっと「ありがとう」を言い続けなければならない。高い所の物を取ってもらうより椅子を使えば、そもそも高い所に置かなければ…の流れは何度も感じたことがある パートナーが好青年なのも歯痒さに拍車がかかる。彼は好意で「あたりまえ」としてやってくれるのだ。瓶の蓋を開けるのも、重い水を運ぶのも、全て。自分でできたらと思うのは贅沢なのか?負担じゃないのなら任せきりでいいのか?主人公の表情まで手にとるように浮かんできた。


