観光地ぶらり

5件の記録
- 高卒派遣社員@hidari_s2025年3月19日読み終わったOHTABOOKSTANDに連載された記事に大幅な加筆修正と書き下ろしを加え、著者が訪れた11箇所の観光地が描かれる。 "ぶらり"という言葉には似つかわしくない詳細な調査で浮かび上がる観光地の歴史。時代の移り変わりを観光客を通して見てきた地元の人々の物語。 景勝地にスマホを向け、ただサッとなぞるように通り過ぎる観光もあれば、著者のように滞在は限られていたとしても思考はじっくりそこに腰を下ろす観光もある。 どちらのスタイルの「観光」が良いとは断言できないが、著者のような想像力があれば、そこにかつてあったもの・かつて住んでいた人にまで思いを馳せることができるのだろうと思った。 橋本倫史氏は今の時代を代表する紀行文の名人と言って過言はない。移り変わる日本の姿を、彼の目に映る光(観光)を文章の形で読めるのは、同じ時代を生きる読者にとって幸福なことだと思う。 本を選ぶ際にあとがきから読むことが習慣になっていたが、少なくとも本書に限っては、あとがきを後から読むことをおすすめしたい。ぶらり旅から立ち上がってくるであろうテーマを、あれこれと想像を巡らしながら読み進めるのがとても楽しかった。
- りん@libra08252024年7月12日借りてきた2024年ベスト橋本倫史さんの本やっぱり面白い!期待通り "日本がリゾート開発の波に晒されるのは1980年代のバブルの時代。 昭和25年、国土総合開発法が制定。後進地域を開発することで国土保全・電源開発・食糧増産・工業立地の整備を目指すものだった。 昭和37年、第一次全国総合開発計画が閣議決定される。都市部と農村との地域格差を是正するために地方の開発を目指すという計画。 しかし1960年代を通じて都市部にますます人口が流入したことを受け、昭和44年に新全国総合開発計画が閣議決定される。この延長線上に田中角栄の日本列島改造論がある。"