モネの宝箱 あの日の睡蓮を探して
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てと@teto_zzz2026年7月12日読み終わった感想 ものすごくいい作品だった。 モネの「睡蓮」に魅せられた人が、その作品を鑑賞するための旅を縁のある人へ提供することで、自身が生きた証を残していく話。 序盤を読んでいる際に柳橋に抱いた印象はかなり利己的で高慢な人だったが、終盤になるにつれてかなり人の事を考えている人という風に変わった。 恐らくそれを変えたのは柳橋自身が「死」を悟った前後の変化によるものからなんだろう。 もちろん、過去にも思いやる面はあったんだろうが、それを表に出さずに生きてきたのかなと感じた。 そして「死」に直面した時に、残せるものは何かあるかと目を向けて、改めて今までの人生でそういう面を自覚したというか。 過去にモネの作品を観て、「よくわからないから時間を空けてまた観たい」と言っているシーンがあった。 そのわかるようになったのが「死」に直面した今だったのかな。 最終的に柳橋からは、自分の価値観を非常に大事にしていて、その上で相手の価値観も理解できる人という印象も受けた。 話の中で「一人じゃ手の届かない経験をさせてくれる貴重な友達」という心情描写があったが、そこが根底にありそう。 無理に相手に合わせるのではなく、お互いに価値観をぶつけ合える関係を大事にしているのかな。 一方でそれによって人と決別してしまう懸念が高まることも事実。 最後のシーンで、桐子が対話を重ねた結果として離婚を決意していたが、それもまた一つの必要な選択なんだろうか。 前作もそうだったが、絵画鑑賞は絵画を通じて自身との対話を深められるものなんだろうなと改めて思った。 それは絵や自身のことだけではなく対人関係にも通じていて、中でも↓の文章が印象に残っている。 > その人がどんな状況で、どんな気分なのかを想像する。よく知り合って、好きなところを見つける。三つの時間軸で考えてみる。 絵と同じで人にも描写されているものとされていないものがあるからこそ、一面のみに囚われないことを意識していきたい。 作品を通して、自分にとって「死」が身近になったときにどうしようかを考えるきっかけになった。 自分がこの世から去ることになってしまった時に残せるものはなんだろう。 近しい人が先に去ってしまう時に悔い無く旅立ってもらうためにはどうすればいいだろう。 モネの「睡蓮」はいくつか観たことがあって、特に好みというわけではなかったが、これを機にもう一度観てみたい。 また、作中で出てきた美術館は国立西洋美術館しか行ったことなかったので、他の美術館も行ってみよう。







