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Michika
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@0610shun
青が好き
  • 2026年8月22日
    風車と巨人
    風車と巨人
    研究不正を追うドキュメンタリー制作の内側で、 疑いが「真実」の顔をして立ち上がっていく過程が恐ろしい。 証言は食い違い、 確証はないまま映像だけが説得力を帯びる怖さ。 否定する大学と告発する医師、 どちらを信じるかではなく、 「信じたい方を選んでしまう」人間の性を突きつけられた。 自分の信じることが正義なのか、 正義のためなら何をしてもいいのか、 不正を正当化してでも伝えたいこととは…? 何かに取り憑かれたかのように 自分の正しさを疑わず、 正当化し続ける登場人物の姿に引き込まれてしまった。 最後の選択は予想外で 報道に携わる方はこの本を読んで どんな感情を抱くのか気になった。
    風車と巨人
  • 2026年8月22日
    噛みあわない会話と、ある過去について
    放っていい言葉と、 放ってはいけない言葉の間にある、 とても分かりづらいけれど しかし確実に存在する線。 この「そんなつもりじゃなかった」言葉は、 相手との関係性にも依るのではないかと思っていた。 相手との関係性によっては、「放ってはいけない言葉」も「放っていい言葉」になる。 でもそんなことを思っている時点で、 私は過去にたくさんの人を無意識に傷つけてきたかもしれないと感じてしまった。 SNSやメディアに溢れた言葉。 地雷のように存在する悪口。 そんな言葉に触れているうちに、 わたしたちはどこかで線を引き間違う。 その線をとても強力な力で引き直してくれる作品だった。
  • 2026年8月17日
    俺の恋バナを聞いてくれ
    この短編集の面白さは 恋愛の甘さよりも 『本人が思う自分』と 『周囲から見えている自分』のズレにあると思った。 恋をして心を乱されたことで 今まで知らなかった自分に出会い、 思いがけず変化していく癖強男子たちのその先を どんどん知りたくなる作品だった!
  • 2026年8月13日
    走ることについて語るときに僕の語ること
    圧倒的な才能があって、 プロセスをすっ飛ばして結果を出せる方も 一定数存在すると思う。 村上春樹さんもそのお一人だと思っていました。 でもゴールを設定して 少しずつ工夫しながら自分のペースで継続する、 ベストを尽くそうとするそのプロセスが 大切なことなのでは?と教えてくれる本だった。 プロセスに焦点を当てるということは、 他者との比較ではなく 過去の自分自身を乗り越えることを意味する。 一歩一歩を歩んできた 作家としてのあるいは人間としての 村上春樹さんの哲学が凝縮されていて、 確実に自分の背中を押してくれた。
  • 2026年8月10日
    階級と「私たち」のゆくえ
    かつてのイギリスの労働者階級は連帯していた。 連帯感があるということは 他者への敵対心も芽生える可能性がある。 でも労働者階級が持っていた助け合いの基盤が失われて、 分断された個が孤立し、 社会の外へ追いやられる恐怖にも直面している。 (と、解釈した) "差異"と"共通"、 どちらかの考えだけに偏ってしまうことは 分断や排除を生む一因であるのかも。 「共通性の中の差異、 差異の中の共通性」 仲間か敵かに分類して攻撃することは 現代社会においても確実に見られる。 「同じである」ということに溺れず、 「異なる」という関係性を断つのでもない 「私たち」というあり方について、 イギリス映画の"階級"という視点から 可能性を示してもらえた気がする。
  • 2026年8月8日
    自転しながら公転する(新潮文庫)
    誰かと比べて卑屈になったり 幸せを考えて悩んだり、 文句を言ったり心が狭いと感じたりする時は、 ほとんどが自分に対しての気持ちの裏返しなんだろうと思った。 「別にそんなに幸せになろうとしなくていいのよ。 幸せにならなきゃって思い詰めると、 ちょっとの不幸が許せなくなる。 少しくらい不幸でいい。 思い通りににはならないものよ。」 "自転しながら公転する" 自分で自分を満たせるというのは、 とてもすごい能力なんだと気付かされた。 周囲の引力の中でくるくる回る日々、 理想の幸せを全部叶えようとして足踏みするのではなく、 自分がやりたいことを一つずつ叶えていく楽しさを積み重ねたいと思った。
  • 2026年8月6日
    プラナリア
    プラナリア
    目の前に大切なものがあるとわかってるのに 捻じ曲げて解釈してしまったり 思い切り遠回りしてたぐりよせようとすること。 相手の純粋な好意や幸せな出来事に対して 自分のうまくいかない境遇を基準にして 心から一緒に喜べないこと。 きっと自分にもある。 生きていると疲弊したり傷つくことがある。 前を向くエネルギーを奪い去られる。 いろいろなことが面倒になる。 登場人物と同じ経験をしたことがないのに 読むのがやめられないのは 自分もそんな面倒くさいと感じる瞬間がたくさんあるからだと思う。 どうしようもなさごと包んでくれる小説だった。
  • 2026年8月5日
    青の純度
    青の純度
    アートや芸術とは何か、 その作品を良いものと評価する受け手なしには 成立しないものなのか。 時代の移り変わりとともに、 マーケットインで作られるようになる絵画は芸術なのか否か。 その答えとなる画家の言葉が切なかった。 何かを表現したいとか、 欲しいものは手に入れたいという人間の根源的な欲求に、 利益の追求という思想が絡むとどうなるのか… そんなことを考えさせられるミステリーのような展開が興味深かったし、 アート商業の負の側面にも触れられている気がした。 今まで読んできた絵画をテーマにした物語とは違う味わいがあって面白い。
  • 2026年8月1日
    蜃気楼と恋人たち
    心の再生する時間が描かれる。 当事者にしかわからないその瞬間の苦しさと痛みを和らげるのは時間しかないのかな。 過去を捨てたり忘れたりする方法以外に前に進むためには どうしたらいいのかを考えさせられた。 孤独という底知れない闇の深さ、 手段を問わず現実逃避にすがることの怖ろしさも身に染みた。 いろいろな条件が重なって現れる その瞬間にしか見られない蜃気楼と、 登場人物の心理描写がリンクしてて 儚さと切なさが心を掴む物語だった。
  • 2026年7月29日
    日記をつけて何になる?
    一日の出来事を振り返り、 意識的であれ無意識的であれ どう生きるかに触れられる。 「続かないこと」や「やめること」も 更新が断たれたり 中断で生まれた空白が 記録と同じくらいに雄弁に その日記の書き手の機微やありようを伝えてくれる。 「日記をつけよう」という気持ちの奥には 「これからも生きてみよう」という 小さな意志が宿っている。 同じ一日なんてひとつもなくて、 偶然に生まれた完結することのない 自分だけの物語。 日記というキーワードだけで 心に浸透する言葉がたくさん詰まってる。 本当にいい本に出会えた!
  • 2026年7月29日
    タイム・アフター・タイム
    主要人物2人の20年間を 現在と過去を往復し、 痛み、後悔、優しさに触れながら物語が進む。 これはどういうこと?という疑問が 次の章で答え合わせされるような構成で 続きが気になってどんどん読めた。 周りの人の優しさに支えられながらも その窮屈さに自由を求める若い頃の2人の章は、 「好き」という感情の純粋さだけじゃなく、 自由を得ることの責任の意味を教えてくれた。 恋愛は成就することだけじゃなくて、 自分を犠牲にして行動したことが その後の人生に意味を持たせてくれるのかもと考えさせられた。 選んだ人生について、 大人になった今だから振り返ってわかることってあるんだなぁ。 「今」をひたむきに生きていた2人がまぶしかった。
  • 2026年7月28日
    白鳥とコウモリ
    一番好きな作品。 一つの殺人事件によって生まれた悲劇とか 残ってしまった後悔とか、 様々な立場からの心理描写に どんどん引き込まれて読んだ記憶が蘇る。 愚かなことをしてしまった人も 理性を保って生きている人も 断言できることや こうしたらよかっという正解なんて 本当は何一つ無いのかもしれないと考えさせられる。 それに救われる部分も確かにあるし、 いろんな愛の形を教えてもらった気がしている🕊️
  • 2026年7月23日
    愛なき世界(下)
    「愛のない世界で生きる植物のことを、 どうしても知りたい…… その情熱を、知りたい気持ちを『愛』って言うんじゃないすか?」 もうこの一文にこの物語の良さが詰め込まれてる! この小説で最も言わんとするところは、 タイトルの「愛なき世界」の逆説で、 解説にもあったけれどこの世は多様な愛に満ちているということだと思う。 志を同じくし理解し合う者同士の愛。 未知なるものを探求する情熱としての愛。 科学の力や理論で考察できる世界と 理論上どうにも説明がつかない複雑な気持ちの対比を通して、 物事や誰かに愛情を注ぐということについて 優しい気持ちで考えられる良い作品だった☘️
  • 2026年7月19日
    暗黒の瞬間
    暗黒の瞬間
    「人が罪を犯すのは、 人生における最も弱く、 最も暗い瞬間です」という作者の言葉通り、 被害者と加害者、そして弁護士である主人公の「暗黒の瞬間」が描かれていた。 裁判はその一瞬の側面を切り取って裁かなければならないのだな…と改めて重く感じたし、 人間は多面的だと思うので悪人や善人と簡単にカテゴライズすることもできない、 もどかしいところを絶妙に突いてくる! 正義を貫こうとするのに 事件当初の印象と真実が 大きく隔たっていることが終盤に明らかになる構成に引き込まれた。 法律で規制された社会で生きる中で 正義の在り方や真実という闇の深さについて考えさせられた。 明るい気持ちにはならないけれど、 今まで読んだことがないリーガルミステリに出会えた!
  • 2026年7月17日
    カンガルー日和
    村上春樹さんの文章は どんなに短くても しっかりその世界に入っていける感覚がある。 不思議な存在に注釈がない軽い文体は 意味や理由を求めてしまう現実から 距離をとっているようにも感じる。 日常に挿入される不思議な体験をする登場人物は それらを自然なものとして扱っていて、 読者だけがそのズレに面白みを感じるところも好き。 普段はお酒を飲みながら本を読まないけれど、 ビールとか飲みながらほろ酔いで、 時間とか空間とかの境目をぼんやりさせて読みたい本。 何回読んでも好き。
  • 2026年7月15日
    愛なき世界(上)
    研究対象である植物に感情がないからこそ、 余計に人間についても考えてしまう登場人物が とても愛おしかった。 三浦しをんさんの「舟を編む」も面白かったけど、 何か強く信じられるものが存在することで その先に希望が開ける展開に とても前向きな気持ちになれる。 タイトルとは対照的に 「愛を傾けられる対象があることこそが、 人間を支えるのではないか」 というメッセージを受け取れる。 研究の過程を通して すべての物事には意識されない前段階が存在するということもよくわかった。 仕事を含めた生活や人との関わりも、 物事の結果だけを見てわかったつもりになるのではなく、 それを成り立たせている働きに目を向けることは とても有意義なことだと思った。
  • 2026年7月11日
    魔女の体力 40歳、女性が体力をつけるべきとき
    「体力」って元気に長く起きていられること!と 単純に思っていたけど、 気持ちが安定したり 集中力が増したり、 体づくりを通して心も共に強くする力なのだと ちょっと考え方が変わった。 誰もが変われる可能性を秘めてるということを 押し付けがましくなく、 先輩の面白話を聞きながら教えてくれるような雰囲気が良かった!
  • 2026年7月11日
    氷河期のゴミ
    氷河期のゴミ
    SNSが流行る前の匿名掲示板、 労働派遣、介護保険、郵政民営化。 それに人生を左右された人たちが大勢いたのだと改めて思った。 その当時の社会情勢や時代の変遷をたどり、 どういう経緯で事件が起こったのかが 生き様や人間性を通して描写されていたから、 過去に実際に起きた事件を 「あんなこともあった」で終わらせてはいけない気がしてしまった。 個人で憤るだけでなく、 怒りが複数にまとまり、 正義と捉えてしまうのが恐ろしい。 問題提起して人々の意識の変化を促し、 社会を混乱に落とし込むのが犯人たちの目的だと思うけど 世の中を大きく変えるのはやっぱり難しいから、 自分の価値観を改めようと思わされた。
  • 2026年7月11日
    有罪、とAIは告げた
    やはり人に対峙する仕事の結論は 効率的ではないプロセスが求められるから、 AIに依存してはならないと改めて認識させられる。 人を裁くということは 正しさよりも落とし所を見つけることなのかなぁと 読みながら感じたし、 そうであるならば 何度も悩むことや反省することから 逃げてはいけないのだと実感した。 「正しい事と望ましい事が常に一致するとは限らない。」 AIは効率と精度、 信頼と依存、 様々な課題を理解した上で活用するべきと学んだ。
  • 2026年7月11日
    宙ぶらりんの箱
    どこかしらで地続きになっている連作短編の構成が面白かった。 終わり方もその先を想像させる余白があった。 自分が何気なくした行動が誰かの役に立っていたり、 何がきっかけで人生の分岐点がおこるかわからない状況、 運命というのは実際にあるんだろうなと思わされる。 人生はとても不安定で揺れ動くもの。 それでもしぶとく繋がって踏ん張るしかないものだと、 タイトルから考えさせられる内容だった。 人の数だけ物語ってあるんだなぁとも思った。
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