

Michika
@0610shun
青が好き
- 2025年11月19日
ほんとうのリーダーのみつけかた梨木香歩読んでるほんとうのリーダーとは私の中にいる。 一緒に耐え、問いかけ、前に進む同志として 大切にしていくこと。 群れに入りたいというのは生物の本能。 当たり前のこと。 問題は本当に自分が入りたい群れや仲間ではないのに、本能に急かされてしまうこと。 社会の中やSNSを通して 他者に評価してもらって初めて安心するけれど、 違和感や引っ掛かっていることに気づくのは能力の一つで、 自分の声に耳を傾ける能力を磨くことで 内なるリーダーが育まれる。 自分をジャッジする視座を外界に置かず、 内側に軸足を置くこと、 その情報が出てきた所の事情を想像する力を持つこと、 希薄な主体性を取り戻す学びが得られた。 講演の内容とかが多くて直接的な表現に 頷きながら読んだけど、 ぜひ梨木香歩さんの小説でもこれらのメッセージを味わいたいかも! - 2025年11月18日
翠雨の人伊与原新読み終わった猿橋勝子さんのお名前は全く知らなかった。 戦前戦中戦後と現在の気象庁で科学の実験を行い ”死の灰”を分析したり 原水爆実験による放射能汚染の実態を 数値化することで証明する過程は 理系出身だったから興味深かった。 逆境をはねのけて結果を出す心意気、 そのひたむきさが感じられるからこそ、 周囲に支えてくれる人が集まるんだろう。 世界の国々と科学という言葉で理解し合おうと 志高く活躍していく姿も感動したけど、 戦中に研究が軍事利用されることに 強い違和感を抱く場面が印象的。 軍事国家における科学のあり方の難しさが伝わった。 政治と科学を分断して扱うことができなくて 「好きなことを好きなように研究しているだけではだめ」という言葉は 猿橋さんに大きな影響を与えただろうなぁ。
- 2025年11月15日
三頭の蝶の道山田詠美借りてきた読み終わった久しぶりに山田詠美さんの本を読んだ。 文学を生み出す女性たちの内面には これほど複雑で深みのある世界が広がっているのか。 女性同士の嫉妬に近い憎しみと愛に近い敬意。 人の中に渦巻くいびつなものを 言葉で魅了することの凄みを感じた。 きっとこの本に登場する女性たちの描く文学は 読むことで何かの答えをくれるものではなくて、 抱えている問いをさらに深めるものになるんじゃないかと思わされた。 いつまでも問いを残すような存在感を 植え付けられたような気持ちになった。 大正、昭和、平成、令和と 様々な時代を生き抜いた女性作家たちの、 身を削って何かを生み出した後に また上等な肉をつけて再生していくような ゆるぎないたくましさも感じた。
- 2025年11月12日
わたしの美しい庭凪良ゆう読んでるまだ途中だけどとても好き! ゆるやかな日常の中に じーんとくる優しさや許しがあって、 新しい価値観を与えてくれる感じが心地良く読める。 恋とか愛の解釈を広げてくれる気もする。 一つ一つ丁寧に描かれる 登場人物の台詞の端々に 凪良ゆうさんの考えや信念を感じる。 「ぼくたちは同じだから仲良くしようではなく、 ぼくたちは違うけど認め合おう。 それでも認められないときは黙って通り過ぎよう。」 - 2025年11月12日
謎は花に埋もれて宇佐美まこと読み終わった花が謎を深めるアイテムにも 謎を解く鍵にもなるのが面白かった。 ラストの種明かしが絶妙な章もあって 一気に読んでしまった。 細かなトリックに 人間の営みの難しさと虚しさが織り混ざっていて、 関わった人たちの人生の 接点と切断点の両方が描かれている気がした。 小さな出来事が大きな災いを引き起こす、 抗いきれない運命の残酷さも感じてしまった。 短編ひとつひとつに人生が詰まってて 読み応えがあったけれど、 ぜひ宇佐美まことさんのガツンと長編も読みたい! - 2025年11月9日
ゲーテはすべてを言った鈴木結生借りてきた読み終わったふと目にしたゲーテの名言の真偽を追う研究者・博把統一が、 出典探しの日々を通して 言葉や学問のみならず、自身の生き方と向き合う物語。(と解釈した!) 静かな雰囲気なのに心の中の思考がめまぐるしくて 知的興奮と余韻がじんわり残った。 文学的な素養があればもっと楽しめたのかも。 印象的なのは「愛はすべてを混淆し混然と為す」という言葉。 統一がかつて提唱した 「ジャム的=同じになる」でも 「サラダ的=違ったまま共存する」でもなく、 異質なものが互いに影響し合いながら 新しい全体を生み出す “第三の在り方”を示していると感じた。 言葉が生む世界の豊かさを改めて感じられた。 - 2025年11月8日
神さまショッピング角田光代借りてきた読み終わった葛藤を抱えた女性たちが それぞれの願いを叶えに神さまを訪ねていくけど 結局は神頼みや人頼みでは 何事も解決しない印象だった。 でも祈ることも否定したくはないとも思っていて、 思いを受け止めてくれる場所があると 実感できることが大切だったのかな。 聖地に赴き神頼みするだけで安心するのではなく、 祈ることで自分に向き合い、 主体的に生きようとする姿勢が感じられてよかった。 - 2025年11月4日
- 2025年10月31日
最後の鑑定人 (角川文庫)岩井圭也読んでる「科学は嘘を吐かない。 嘘を吐くのはいつだって人間です。」 自分の鑑定に揺るぎない自信を持っている土門誠。 映像化されているだけあって 読みやすいけど捻りのある事件が興味深いし、 登場人物の努力で培った強い信念が感じられる。 「科学が明らかにした真実が、 幸せに繋がるとは限らない。」 それぞれの事件にどこか切なさも残る。 情ではなく事実だけで動く土門誠の姿は格好良い! - 2025年10月30日
うそコンシェルジュ津村記久子借りてきた読み終わったやってる本人は気にも留めていないような悪意を 悪いことだときちんと書いてくれる。 奪われる側の気持ちを書いてくれるところが好き。 単なる恨み言にせずにちゃんと面白いから 深刻すぎず楽しく読めちゃう。 人生ではいろんな人と出会うけど、 ある一時期誰か過ごした時間には 良くも悪くも忘れがたい物語があって、 そこに小さくスポットライトが当たるような、 のちのちの自分を支えてくれるような。 津村記久子さんの作品が好きな理由はいつもそれなのだと思う。 目の前のことを地味ながら着実にこなす日々も、 頑張って生きてるってことなんだよなと実感できる。 - 2025年10月28日
宇宙の片すみで眠る方法畑野智美読み終わった恋人を失った悲しみを抱きつつ、 寝具店で働く女性が主人公。 うまく眠れなくなった経験を経て 寝具店で働くようになり 眠れない人を助ける側になる。 これからの生き方に向き合う姿を見て、 大きな喪失を味わった彼女にも 穏やかで深い眠りを得る日が来ますようにと 願ってしまう内容だった。 寝具店には眠りを改善したい人が訪れるけど、 眠りに悩んでいる人は、 精神的なものが原因のことも多いのかなと思った。 淡々とした文章が 痛みの棘がまだ刺さったままなのに 淡々と日常を生きている錯覚を起こすようだった。 - 2025年10月24日
空、はてしない青 下メリッサ・ダ・コスタ,山本知子読み終わった確実に訪れるであろう 最期の瞬間が分かっているからこそ、 すべてが尊いものに感じられたのかな。 若年性アルツハイマーの症状が進行し 語り手がエミルからジョアンヌに引き継がれるのが やっぱり切なかった。 未来がなく過去も忘れていくであろうエミルと、 過去に囚われて未来に進めないジョアンヌの、 今を生きられるようになる再生の物語だった! 忘れてしまっても心に残るものとか、 人が人に与えることのできる 最も純粋な愛情とか、 いろいろな感情が溢れるけれど 私は大切な人のために何ができるかを考えさせられた。 - 2025年10月21日
本の寄り道鴻巣友季子借りてきた読んでる「映像文化に押される小説だけれど、 いまもって言葉だけに成しうる魔術があることを再認識」 という一節に感動し、 「小説、この小さきもの」も 「ギンガムチェックと塩漬けライム」も 読みたくなっている。 「文学の言葉ではすくいとれない、日々の小さな棘とその痛みを描く」角田光代さん 「何かが起きそうでまだ起きない、気配と予感を重たくはらんだ直前の空気を描く」吉田修一さん 今まで自分が心を掴まれた作家の方々を 熱意のある言葉で紹介されていて 感嘆のため息が出る。 - 2025年10月20日
空、はてしない青 上メリッサ・ダ・コスタ,山本知子読み終わった若年性アルツハイマーを患い余命宣告された 26歳の青年が最後の旅に出る物語。 ともに旅をしているジョアンヌと お互いを深く詮索せず、 ゆっくり時間をかけて出来る限りの信頼を重ねて 足並みを合わせていく雰囲気がとても良い! 手探りで明日に向かうふたりの 内情とか風景の描写も読みやすい。 主人公に認知症の症状が出初めて 自分を見失う恐怖を思うと、 つい情報の波に飲まれて、 目の前のものとか自分の気持ちに 本当に向き合えていない自分の 自我の曖昧さを痛感する。 死を待つ人生よりも 自分で選ぶ最後の時間を求めて旅に出る内容に 心が揺さぶられて、 思い出より今を生きることの尊さに 強く惹かれた。 - 2025年10月16日
他人屋のゆうれい王谷晶借りてきた読み終わった「ババヤガの夜」で話題になっていた王谷昌さん。 初めて読んでみたけど一気読みだった。 孤独や心の傷になりそうな体験を 安易に「可哀想なこと」にしないで、 「ありふれたこと」として描いてくれる感じに救われた。 幽霊の正体に迫る内容だったけど、 この世に存在する人間について 『生きているけど生きていない。 死んでいないけど死んでいる。』 と切なく哀しい表現で描かれていたのが印象的。 他の人の"普通"から外れて 生きにくさを感じても 完全な孤独はやっぱり難しくて どこかで誰かと最小限の関係性は必要。 寂しさを抱えた人たちが集まって 寄り添って生きていく癒しの物語だと感じた。 - 2025年10月13日
ギプス片島麦子借りてきた読み終わった思春期に人は傷つくこともあるし、 誰かを傷つけてしまうこともあるけど、 それで色々な感情を手に入れることになるなぁと振り返る。 人と人はちょっとした行き違いとか 思い込みで本当の気持ちが伝わらないことがある。 大人になるとそれをあきらめてしまうことも 多いような気がするけど、 一歩踏み出せば分かり合えることって やっぱりあるのかなぁと思えた。 中高生の頃から止まってしまった時間が動き出すような物語だった。 タイトルのギプスは 自分の心の鎧でもあり、 弱った心を支えて回復するまで守ってくれるものであるような気もするとグルグル考える。 - 2025年10月10日
三千円の使いかた原田ひ香読んでるお金との向き合い方を改めて考えさせられる。 やっぱり金銭的な不安がどんな人生の段階でも付き纏っていて、 それが自分の視野を狭めていることがあると気付かされる。 「お金や節約は、人が幸せになるためのもの。 それが目的になったらいけない。」 たしかにそうだと思った! お金が無いって不安だけど、 ゴールがわからずに右往左往するより、 そもそも何にお金を使いたい? お金が無いと何に困る? などを明確にしないといけないし、 お金を得ることでどういう人生にしたいのか ちゃんとイメージしたい。 お金は大事! でも「なぜ?」をもっと探したいと思った。 - 2025年10月8日
カフネ阿部暁子読み終わったやっと読めた! 登場人物全員にちゃんと奥深い物語があって 行動に意思を感じられた。 甘えることは利用することではない。 弱さを見せることは恥ずかしくない。 相手の優しさは素直に感謝する。 わかっているのに意外と難しいことだなぁと気付かされた。 ちょっと頼るだけで心ってすごく軽くなるのに。 現実は理不尽なことがたくさん溢れてるけど、 不完全な自分を認めて大切にすることについて いろいろ考えさせられた。 - 2025年10月4日
地方女子たちの選択上野千鶴子,山内マリコ,藤井聡子読んでる男性より女性の方が 出ていく割合が高いという 富山県にゆかりのある 14人の女性たちへのインタビューがメイン。 女性の人生は時代や環境に大きく影響を受けていて、 上の世代であればあるほど それが強いということがよく分かる。 地元にとどまってもそこから出るにしても、 いつでも離れられるとか戻れるという選択肢が 確保されていることが、 地方からの女性の流出を防ぐために重要という内容になるほどなぁと思った。 「どんな選択をしたかが娘に影響を与えるのではなくて、その選択を母親自身が納得してやったかどうかが娘に大きな影響を与える」 この文面はすごく印象深かった。 母娘だとしても 他者の自由を 自分の自由と同じように尊重することが 大切なんだと気づきを得られた。
- 2025年9月30日
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