焼跡のイエス・善財

焼跡のイエス・善財
焼跡のイエス・善財
石川淳
立石伯
講談社
2006年11月10日
2件の記録
  • 初めて読んだ石川淳の短編集。モラルも秩序もリセットされた戦後の空白を舞台に、基本的に男と女の話が多いんだけど、息の長い文章で、あてもなく歩くシーンが多くて、結構好きかも。幻想に振れる「山桜」や、結婚を巡る駆引きが妙に緊張感がある「処女懐胎」も良かった。 「焼跡のイエス」は、三鷹のUNITEさんの読書会で読んで、みんなで精読するから、一人で初読の時には気がつかない細部の発見(最後の砂漠のとことか)もたくさんあって、楽しかった。 あとは、内容もさることながら、やっぱり文章それ自体が良くて、何となく最初に堀江敏幸を読んだ時のことを思い出した。時代はもちろん逆だけど、フランス文学者の書くものの系譜みたいなのがあるのかな。
  • 国立近代美術館で『記録をひらく 記憶をつむぐ』を見た時に知った本。面白そう。
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