CF

6件の記録
- 読書記録@records2025年3月15日読み終わった罪を犯した者の責任を無化する(と同時に被害者の恨みも消す)ことができるという喧伝がなされる巨大企業CFとそれを取り巻く人間模様が多人数視点で描かれている。 途中まで読んだあたりでは、被害者の恨みも消えるなら、なぜそれに対して第三者の人間が反感を抱くのだろうか?我々は罪に対しては罰を加えないと気が済まないのだろうか?などとぐるぐる考えていた。 「責任」というただの概念を物質化して処理するという無理のある設定を、「フィクションだから」という体で乗り切るのか、と思って読み進めていくと、終盤でそのカラクリが明かされて、予想を上回る悪夢のようなラストだった。 ひとつだけ文句をつけるなら、現代が舞台なのに、情景描写や会話が昭和のようで古臭いところに違和感があった。