好きで一緒になったから
6件の記録
汐入@yogishaninotte2025年10月21日読み終わった発達障害&サバイバーの当事者女性とそういった女性を妻に持つ男性の対談本 私自身はパートナーもいないし男性でもない。けれども友人に発達障害やサバイバーがいるため、どちらかというと夫の鈴木さん寄りの視点で読んでいた。読んでいて圧倒的に自分に近い思考回路をしているのもサバイバー当事者の石田さんじゃなくて鈴木さんだし……。石田さんによる当事者の心理状態の説明も読みどころの一つだと思う。安全で安心できる人間関係を必要とする人ほど、それを作るのがめちゃゃくちゃむずかしくなるの、この世のバグじゃないですかね…… 閑話休題、鈴木さんは自身を「庇護欲くん」と定義づけ、それゆえに妻に加害行為をしてしまったことなども率直に綴っているのだけれど、鈴木さんは鈴木さんですごい。庇護欲くんは悋気くんだから、パートナーが病院などで回復すると嫉妬するかもしれないし僕にだけ頼ってほしいって気持ちがあるっていうの、正直意味わからんけど、率直さにあっぱれだった。鈴木さん側ももちろん大変だよ、という話をしつつの「まだ障害があるパートナーと生きていく覚悟が甘かった」、「それでもこの妻でなければ嫌だという執着が僕にはある」が繰り出されるのも納得だった。しかしその一方で、ここまでの熱量がないと一緒にいられないのは大変すぎるだろ、とも思ってしまう。
JUMPEI AMANO@Amanong22025年8月10日読み始めた読み終わった@ 自宅〈当事者の恋愛についてのヒアリングは、当事者が持つ関係性のヒアリングと言ってもいいのではないだろうか。〉(1章、40頁) タイトルや帯の文言、カバーを見て敬遠したり反発したくなったりする人が多そうだけど、ちゃんと良い本だった。 ここまできちんと自己開示しながら現実的かつ具体的な対話を展開してくれるおふたりは相当に太っ腹。1章を読むと、なぜ恋愛や結婚について真面目に語る必要があるかは理解できると思う。 個人的には4章最終節「当事者女性が加害をする時期はどうしてもある。いずれ抜けるから待ってほしい」とそれに付随するコラム「チームで巻き込まれる」を読めたのが良かった(136-144頁)。月美さんが何度か語っている〈当事者のみんなは医者や支援者にはこっそり良くなって! 医者や支援者のために良くならないで!〉(144頁)も優しい言葉だなぁ、と。 本の最後に収められている「お金問題」に関する往復書簡も迫力がある。鈴木大介さんが正直に書いてくれているからこそ(第三者の批判を先回りしたらこういう書き方はできないはず)、ここまで芯を食ったやりとりになったのだと思う。直接的な語り手ではないけど、鈴木さんの「お妻様」の視点があるのも、大事だった。











