破船

破船
破船
吉村昭
新潮社
2012年6月1日
5件の記録
  • 「日本残酷物語」第一巻第一章の最初に出てくる、難破した船から食糧などを奪うという風習。日本のあちこちにそんなことがあって、吉村昭はその内容を幅広く取り入れて書いたんだなーと「日本残酷物語」を読むとわかるんだけど、一番「え!?」と思った、わざと浜辺で火をたいて船をおびき寄せるという風習ももちろん出てくる。だよねー!!! 特に印象に残るのが、「お船様」なんて言って神様のように扱っているけど実際は生き残った乗組員を殺しているっていう、代々の大人の「ごまかし」、 あと伊作があらゆる理不尽に対して疑いもせず(当然だけど)、むしろ現実に自分を合わせていくところ。一人前の男に憧れて体格が小さいことを恥じたり、死んだ方がましだと思いながらも母と弟の山追いを受け入れて、村の掟に背くことはしない。 そんな様子を村の外かつ現代の私たちに見せられることによって、ただひたすらに落ち込むのであった。 5/22追記。 読み返してるけど、村おさってある意味楽だよなー。村を存続させることだけを目的に行動すれば良いんだから。だから見張りを怠らず船を襲う、になるし、病気が治ったけど感染した者は山に入ろう、となる。村を存続させることが第一と考えれば自分の気持ちを切り捨てることはできそうだもんね。だけど山追いで家族や好きな娘と引き裂かれた伊作は、自分の気持ちを切り捨てることはできないと思う。
  • aino
    aino
    @aino8
    2025年5月21日
  • まき
    まき
    @mkmt17113
    2025年5月13日
  • 過酷な生活。 その中にも、微かな愉しみや幸福はあるもので。 だが、自然と共に生きることの峻烈さたるや。想像するだに崩折れそうだ… 生きていくことの生きている事の難しさ。 あったかもしれないと思わせる非凡な筆力! 物凄い小説だった。
  • 卯木
    卯木
    @ustuginus_readx
    2025年3月7日
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