ラギッド・ガール

9件の記録
- Autoishk@nunc_stans2025年5月1日読み終わった「この世界は、野趣あふれるように見せかけているくせに、じつは政治的に正しいことにけっこう神経質な、卑屈な世界だ。ランゴーニならそのことも重々承知だろう。」(p.414) ゼロ年代の空気感を感じる。 熱心なフォロワーではなかったので知らなかったのだけど〈廃園の天使〉シリーズは第三作があり2020年から再び連載中とのことで気長に待ちたい。
- Autoishk@nunc_stans2025年4月23日読んでる「ダークの反抗声明である「欲望の墳墓を造営せよ」には、つぎのような一節がある。 ーー数値海岸は物理世界に巣食う人間の、あらゆる欲望を映す鏡である。単純に言語化しえぬ、混沌として名状することもできない、精神の暗渠をごうごうとながれる運動としての欲望であるーー。」(「魔述師」よりp.330) 魔述師とは作品人物だけでなく本作の著者もまたまぎれもなくそうであり、区界のAIに苦痛を与えることと作者が自作の登場人物に苦痛を与えることは等価であって、この短編はそのことへの反省的考察ともとれた。
- Autoishk@nunc_stans2025年4月7日読んでる「ああ……。この女はだれでもない、おそらくジョゼ自身なのだとジュリーは気づく。ジョゼの中にだれかが造営した、巨大な罪の意識、自らを責め続ける機構の表象なのだ。だからこの情景、この場面で「ぼく」と「女」の感覚は綯われた綱のようにたがいの立場を交代しながら変転する。自らを罰し、罰される快感の終わりなき交代。」(p.51-52「夏の硝視体」より)