宮沢賢治全集(7)
9件の記録
Yamamoto Masaki@masa04262026年3月6日読んでる銀河鉄道の夜(第三次稿) P517 カムパネルラは、その綺麗な砂を一つまみ、掌にひろげ、指できしきしさせながら、夢のやうに云ってゐるのでした。 「この砂はみんな水晶だ。中で小さな火が燃えてゐる。」 「さうだ。」どこでぼくは、そんなこと習ったらうと思ひながら、ジョバンニもぼんやり答へてゐました。 河原の小石は、みんなすきとほって、たしかに水晶や黄玉や、またくしゃくしゃの皺曲をあらはしたのや、また稜から霧のやうな青白い光を出す鋼玉やらでした。ジョバンニは、走ってその渚に行って、水に手をひたしました。けれどもあやしいその銀河の水は、水素よりももっとすきとほってゐたのです。それでもたしかに流れてゐたことは、二人の手首の、水にひたったとこが、少し水銀いろに浮いたやうに見え、その手首にぶつかってできた波は、うつくしい燐光をあげて、ちらちらと燃えるやうに見えたのでもわかりました。













