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6件の記録
- しおり@Kaffee58882025年4月22日読み終わった「その人の付き合いやすいパーツだけを選んで付き合うなんて、どだい無理な話だ。」260 これは2005年ごろに刊行された話なのだ、と途中で確認した。というのも、ところどころ現在のハラスメントが蔓延っている世の中では受け入れられないような話が見られたからだ。私としては、別に物語にそこまでのリアリティは求めていないため、気にはならなかったのだが、気にする人もいるかもなぁ、と。確かにこの頃はあまり気にして無かったよなぁ…と時代の流れを感じたりした。閑話休題。 作品としては、病院を舞台に「死ぬ前に願い事を叶えてくれる仕事人がいる」という噂がある、という大きな設定があり、とても物語のフックとしてはわかりやすい。 自分は幸運にも、あまり「死」に触れる機会が無かった。その為か、「死」というものには遠い。生きていれば、なんとなく希死念慮のようなものは持つものだが、それとこの話は違うので割愛する。病気で「死」という期限が見えている時に、何を思うのか、何を感じるのか、誰に会いたいのか、何がしたいのか…というのは、人によるだろう。多分それが後悔、やり残した事というものだから。自分だったら何がしたい?何を想う?と思って…別に何もないな、って思う。当たり前に生きていける、と思っているからまだ漠然としているのだ。たぶん、この作品にある上田さんのように、『「悪い人生だったとは思わない」「後悔がまったくないとは言わないけれど、それでも、まあまあ、よくやったと思うよ、私」228』と思うかもしれないな、って。当たり前に未来が続いていると思っている私にはまだ考えるには遠いのだ。 だが、果たして本当に遠いのか?というと首を傾げる。そんな事を考えて生きていたくもない。なんだろう、「死ぬ」も「生きる」も難しいな。
- Miyoshi@miyoshi2025年3月8日読み終わった@ 自宅高校生の頃、この作者のトーンが好きでよく読んだ。内容を覚えていなかったので再読。 久しぶりに読んで、「覗き」を性加害ではなくコントの道具にするところや、大学生の主人公が女子中学生にキスするところなど、いまの自分では受け入れられない価値観が幾つもあった。 「自分より年上の大学生」が「身近ではない病院という場所」で「善悪では割り切れない物事を通り過ぎていく」という世界観は、当時の私にはいいなと思えるものだったけれど、見えていないものもあった。