心淋し川

心淋し川
心淋し川
西條奈加
集英社
2023年9月20日
5件の記録
  • mi
    mi
    @m71
    2025年6月29日
    心淋し川
  • かめりあ
    かめりあ
    @cameria_7
    2025年6月4日
    夏になるとすえた匂いが立ち上る、流れの淀んだどぶ川と、そのどぶ川を挟んで立つ貧乏長屋が舞台。そこに住む住人たちの人生や、重苦しい心の内、時に深い闇が描かれている。 涅槃の雪を読んだ時も感じたが、西條奈加の作品は昭和のよく出来た時代劇ドラマを観ているような印象を受ける。映像が目に浮かび、先の展開もなんとなく読める。欠点のない優等生みたいな小説だと思いながら読み進める。 けれど、読み終えた後には胸の内にずっしりと杭が刺さっている。作中で描かれた、ままならない人生を懸命に生きる人々の苦しみや喜びが、じわりじわりと杭から滲み出てくる。 多分、人間を書くのが上手いんだと思う。老若男女、育ちも性格も背景も全く違う人々が出てくるが、その全てが丁寧に書き上げられている。 一体どれだけの人間を見てきたのだろう、と思う。
  • かめりあ
    かめりあ
    @cameria_7
    2025年5月18日
    よく行くバーのマスターにオススメされたので。
  • haku
    haku
    @itllme
    2024年11月13日
    どの短編の結末も忘れられないものばっかり。 結ばれない恋も結ばれないと思ったら結ばれた恋も。 江戸時代の小さな街を舞台に描かれてるけれど読み進んでいくと最初は言葉が難しいと思っていたけれどどんどん街の風景が頭の中で広がって人と人が繋がっていった。 読み終わった今では心町(うらまち)が心の中であったかいまま留まってくれてる。 心町では絶対に人の過去や淀みを聞かないことが言葉にはせぬルールになってることがまた、読者の私をも受け入れてくれているように感じた。 「冬虫夏草」では1人息子に依存していく母の姿が描かれてる。 でもそれは自分が嫁いだ旦那が過去に自分の母親にしている姿と同じだった。 母親が語り手となってるからか、読みながら苛々した。けれど、自分の気持ちにも気づかないくらい拠り所がそこしかないのだと可哀想にもなった。 寂しいんだなと。 それは 「明けぬ里」 ででてくる売れっ子の遊女も。 してはいけぬ恋を、でもどんな相手もよりも自分が心を寄せてる相手とした。 最後、全てを悟って葛藤(クズノハ)の泣き叫ぶ姿には明里の姿とともに喪失感を与えられた。 そして「灰の男」 ずっと、心町のことを見つめてきた茂十の過去。寂しさを晴らしたくて過ごしていたのにそばにいた楡爺との最後の結末は、 誰しも寂しさを持たずには生きることができないんじゃないかとさえ思わせた。 どのお話も人の心にある拠り所みたいな淋しさが滲み出てた。 淋しさって拠り所になることがあるのかな 読み終わった今でも彼等の心のうちをもう1度覗きたくなる。
  • 紗笑
    紗笑
    @elmer_sae
    2024年1月31日
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