『太宰治全集・280作品⇒1冊』

8件の記録
- けい@kei-note2025年4月1日読み終わった『一歩前進二歩退却』 “謙譲を、作家にのみ要求し、作家は大いに恐縮し、卑屈なほどへりくだって、そうして読者は旦那である。作家の私生活、底の底まで剥ごうとする。失敬である。安売りしているのは作品である。作家の人間までを売ってはいない。謙譲は、読者にこそ之を要求したい。”
- けい@kei-note2025年3月24日読んでる『わが愛好する言葉』 “どうも、みんな、佳い言葉を使い過ぎます。美辞を姦するおもむきがあります” 『或る忠告』 やんや言いに来た詩人は本当にいてそれをそのまま書いたのか、自分に向けての忠告なのか。どっちだろう。 『織田君の死』 “死ぬ気でものを書きとばしている男。それは、いまのこの時代に、もっともっとたくさんあって当然のように私には感ぜられるのだが、しかし、案外、見当たらない。くだらない世の中である。” “生を棄てて逃げ去るのは罪悪だと人は言う。しかし、僕に死を禁ずるその同じ詭弁家が時には僕を死の前にさらしたり、死に赴かせたりするのだ。”
- けい@kei-note2025年3月23日読んでる『小説の面白さ』 “小説と云うものは、本来、女子供の読むもので、いわゆる利口な大人が目の色を変えて読み、しかもその読後感を卓を叩いて論じ合うと云うような性質のものではないのであります。” 小説書く人が小説読む人を小馬鹿にする話 『田舎者』 なぜこの短い文を書いて残したのか… 『「晩年」に就いて』 “私の小説を、読んだところで、あなたの生活が、ちっとも楽になりません。ちっとも偉くなりません。なんにもなりません。だから、私は、あまり、おすすめできません。” “こんど、ひとつ、ただ、わけもなく面白い長篇小説を書いてあげましょうね。いまの小説、みな、面白くないでしょう?” “美しさは、人から指定されて感じいるものではなくて、自分で、自分ひとりで、ふっと発見するものです。「晩年」の中から、あなたは、美しさを発見できるかどうか、それは、あなたの自由です。読者の黄金権です。” 短い文の中に皮肉や自慢めいたものがこれでもかと入ってる… 『新しい形の個人主義』
- けい@kei-note2025年3月16日読み終わった青空文庫「ア、秋」 ”枯野のコスモスに行き逢うと、私は、それと同じ痛苦を感じます。秋の朝顔も、コスモスと同じくらいに私を瞬時窒息させます。” “秋は、ずるい悪魔だ。夏のうちに全部、身支度をととのえて、せせら笑ってしゃがんでいる。” 詩の仕事が来た時用のノートを見ながら秋に思うことをつらつら