エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦―(新潮文庫)

8件の記録
- nogi@mitsu_read2025年3月19日読み終わった@ カフェ〝森や海とともに生きるということ。それは悲壮な覚悟の余地すらない、生物のごく当然な在り方なのかもしれない、としみじみ思う。自分の存在ということと、森や海というものが切っても切れない、こういう暮らしぶりに接していると。生まれた場所を世界のすべてとして受け止め、不都合も含めてその恵みを享受し、できる限りの工夫をして生活し、その土地で死んでいく。(中略) エストニアの人々の歌う「我が祖国」とは、生まれた土地のこと。そしてその思いを根本にそって敷衍(ふえん)すれば、それは、地球そのもの。 生まれたところで、死んでいく。けれどそれが少しくらいずれていようが、なんだというのだ。〟 日差しは春のようなのに風は真冬のような日に読み終えた。
- umi 🪿@um_book_2025年3月7日かつて読んだ“じっとしていると、ときどき自分が人間であることから離れていくような気がする。人が森に在るときは、森もまた人に在る。現実的な相互作用(中略)だけでなく、何か、お互いの浸食作用でお互いの輪郭が、少し、ぼやけてくるような、そういう個と個の垣根がなくなり、重なるような一瞬がある。生きていくために、そういう一瞬を必要とする人々がいる。”