つげ義春を旅する

つげ義春を旅する
つげ義春を旅する
高野慎三
筑摩書房
2001年4月1日
3件の記録
  • 浸る
    @rattatatatat
    2026年6月15日
    本文より 「すべての”責任”はつげ義春のおだやかな語り口にある。そのおだやかさは、ソフトなどという感触とはまったく異質のものだ 。湯治場について、旧宿場について、山かげの山村について語りだした瞬間から、旅のドラマが、風景としてのドラマが開始される。べつに、美辞麗句を重ね、形容豊かに、オーバー気味に語ることをけっしてしない。農山村のありふれた情景を、余計なことばを排して的確に伝えようとするだけだ。」 個人的には、この本には「ガロ」の編集者である作者が、つげ義春本人から聞いた、構想だけで発表されなかった幻のマンガのストーリーについても書かれてあって激しく興奮した。以下 「万力のある家」 簡潔にストーリーを紹介したい。男がなんのあてもなく雑木林の中を歩いていると、目の前の大木に縄が下がっていた。誰かが自殺しようとしたのかもしれないな、と思うていどで男は通り過ぎていく。やがて、雑木林の中に小さな小屋を見つける。戸を開けて中に入ると作業机の上に万力がくくられてあり、その万力にはまだ生温かい金魚が挟まれていた。男は、その万力に手をかける、というところで話は終わる。 おまけ 大塚駅南口の駅前のマーケットの中にはかつて芝居小屋があったらしい。
  • 阿部義彦
    阿部義彦
    @xtc1961ymo
    2026年3月29日
    つげさんの訃報を知り、去年古書市で手に入れたちくま文庫(2001年第1刷)を手に取る。著者は元ガロの編集者でつげ義春さんの作品の誕生に立ち会い、個人的な付き合いもあり、一緒に温泉や宿場を旅した間柄でもあります。文学者の病歴と作品を照らし合わせて影響を調べる病跡学という学問がありますが、これはつげさんの作品とつげさんの実際に行った旅行先や興味の対象を漫画と比較する考現学ならぬ考漫学(勝手に今作った言葉)とも言える内容。二人の対談も収録されてます。ねじ式については置いておいて、自分が感銘を受けたのは『海辺の叙景』の舞台となった大原の八幡岬です、大原はつげさんの母親の郷里でつげさんも小さい時過ごした事がある土地。八幡岬は自殺の名所としても有名だったとか。他にも『退屈な部屋』で描かれた女郎部屋は実在した等、写真図版満載で時間を忘れました。昔の調布は実にスリリングでした、水木さんいわく『調布には、美人が居ない』? 面白かったです。
  • 阿部義彦
    阿部義彦
    @xtc1961ymo
    2025年11月22日
    つげと親しかったガロの編集者が写真で綴るつげ義春の原風景、対談も収録。以上が古書市での収穫。文庫は全部ちくま文庫でした。でもみんなバーコードが入ってるので、近過去とも言えますね。
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