
らずべりー
@Raspberry_latte
19歳。ミステリーが好きです。読むジャンルにバラツキがあります
- 2025年6月8日母性湊かなえ読み終わった読破! 流石は湊かなえと言うべきか、うわ……と思う読後感でした。 問題から目を背け続け不倫していた父やその娘を自死へ追い込んだ挙句、貧乏生活に耐えかねて急に姿をくらます不倫相手の仁美に対する怒りが残りました。なぜそんなことが出来るのか。とくに仁美に関しては人様の父親を奪っておいてよくもまあ「お前を助けたせいでお前の祖母が死んだ」などと言えるものだな、と。 母親も母親でやはりロクでもない人物だと感じました。あろうことか娘を殺そうとするなんて。神父に見せるための独白を記したノートの中ですら彼女は保身に走り、「娘を強く抱きしめた」と記述しています。自分が殺そうとしたのに。なんて醜い人間でしょうか。 また、娘が首を吊るまで彼女の名前が「清佳」であることが書かれていないのが印象的。 冒頭に出てくる新聞記事に出てくる、転落した生徒が清佳だと思っていたのですがどうやら途中に出てくる高校教師が清佳であると読み終わったあと暫く考えて気づきました。叙述トリックというやつだろうか?思えば途中で引っかかるところはありました。 217pで、教師が「ヒデ」と呼ばれる無愛想なアルバイトを「英紀」であると思い至る描写があり、なぜ彼女が英紀であることを知っているのかと怪訝に思いました。 このような暗い幼少期を過した清佳が母性について「子どもを産んだ女が全員、母親になれるわけではありません。母性なんて、女なら誰にでも備わっているものじゃないし、備わってなくても、子どもは産めるんです。」という発言をするのが彼女の経験に基づく深い言葉であると感じました。 最後はまるで大団円かのように終わっていますが、あのような経験を経ても清佳の母親は清佳の妊娠を知って「おばあちゃんが喜んでくれる」と発言をするところに、人は簡単には変わらないことが表れていて背筋が凍りました。また清佳も母親のようにならないようにするあまり自分の子に愛情を押し付けて不幸の再生産になるのではないかと不安な最後でした。
- 2025年6月8日母性湊かなえ227pまで。 母はずっと「何故私がお母さんに聞かれた時はこうだったのに娘はこうではないのか」「母が私にしてくれたように私も娘に愛情を注いでいるのに」ばかり。娘がどう思うかよりも自分の気持ちが先行している自分本位な人だと感じました。 その理由なんて客観的に見ると一目瞭然なのに。娘が幼い頃に母にふれあいや愛情を求めた時にそれを退けたのは自身。気まぐれに押し付けるものは愛とは呼ばないと思います。娘は「おばあちゃんだけは唯一愛してくれた」と回想しているので、この母は自分が母親から愛されたほどは娘のことを愛せていないと思います。
- 2025年6月8日母性湊かなえ212pまで。母親がスピリチュアルに傾倒しだして、これはまずいと思った。自分のことを聡いと思っている愚者ほどタチの悪いものはない。金を詐欺られるのを義母と娘が守ってくれたにも関わらず彼女はそれを恨んでいて、なんだか現代社会の陰謀論者にも通ずるところがあると感じた。 本当にこの母親に嫌悪感しかない。彼女は自分の身に起こる不幸をすべて娘のせいにしている。もういい歳をしているのに。
- 2025年6月8日母性湊かなえ読んでる115pまで読んだ。「母」は愛能う限り娘を愛していた、と独白しているが娘の回想では「母に触れられた記憶がほとんどない。拳を繰り返し振り下ろされるとき以外には。」とある。また、母に「触らないで。あんたの手は生温かくて、べたべたして、気持ち悪いのよ」と言われたとも。 母側は 娘の手がいつも温かいから亡くなった母親を思い出して辛くなるので触れていなかった と手記に書いてある。なんて自己中なのだろうか。自分の母親を亡くしたのは辛い出来事だろうと思うが、だからといって娘に辛く当たっていいという理由にはならない。
- 2025年6月8日母性湊かなえ読んでる69pまで読んだ。「母」の「私はお母さんを助けたいの。子どもなんてまた産めるじゃない」というセリフや「未来ある者を残すべきだとか、母親なら子どもを選ぶのが当然だとか、お茶を飲みながらの机上の空論などまっぴらです。そんな人はきっと、どちらも助けずに、逃げ出すのでしょうけれど」という地の文から、きっと彼女は自分の母親ほどは娘のことを愛していないのだと感じました。母親と娘を天秤にかけて母親を即座に選ぶ姿勢や、娘を救うべきだという当たり前の意見に対する態度が非常に不快で、自分と母親以外は見えてない人物なのだろうと感じました。娘のことは自分が母親に愛される材料としか思っていなかったのだろうと思います。
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