BANQ
@banque
- 2026年2月13日
民度ー分極化時代の日本の民主主義善教将大読み終わった有権者の党派性によって民度の評価や認定が大きく変わってしまうという甚だしい不安定さや空気依存度合いは「民度」という言葉を使うのに大きな難を感じさせる。すでに一般に普及しているスラングについて政治科学的な技法を駆使して実態を解き明かそうとした誠実なアプローチが信頼できる。あとがきによれば編集者サイドでテーマ設定され著者は民度テーマに思い入れが全くないようだけど、読者としてはこうしてバズワードの実態がどんなものなのかを知ることができるのは現代社会の理解度を上げるのにとても助かる。その意味では編集者x学者の掛け算が上手くいった好著だと感じた。 - 2026年2月2日
「日本」ってどんな国?本田由紀読み終わった教育機関に学力向上以外の何を求めてるの?っていうのは本当にその通りだなと思う。社会全体で再生産を支える適切な分業がなされてないことが日本の大きな問題であり、物事を全体像から把握してひとつひとつのパーツに分解/分類できないことが21世紀の日本人の拙い思考能力や低い問題発見/解決能力にもつながっているのではないか。 “1990年代以降、「学力」だけではなく、「人間力」「生きる力」も大事だ、と大声で言われるようになってきましたが、そうしたふわっとしたスローガンが何を意味しているのかは不明ですし、「学校」の現場は大して変わらないまま、「何でもできる、大人にとって都合のいい、スゴイ人になってね」という勝手な要請にすぎなかったという反省を、政治家も大人全体も必要としていると私は考えています“ P.127 本田由紀著『「日本」ってどんな国?』 - 2026年1月22日
- 2026年1月14日
イン・ザ・メガチャーチ朝井リョウ読み終わった序盤から主人公親子のバッドエンドを予想してたのだけど予想通り思い描いたようなシーンでパツンっと切れて終わった。予想通りだった。文学作品を読んだのではなくて映画を観たような読後感で読後がライトウエイト。軽やかなという意味ではなくて、物足りないとか期待外れという方の。日経の連載小説だそうだが、展開が少年ジャンプのように短いスパンで刺激的な文言が並ぶ。読みやすい、実に読みやすい。そして軽い、重い話のハズなのに。読者が重みを感じる時間も余韻も文章が持たせてくれない。大学生の理想論よりも高卒のキッチン内肉体労働に幸福への道を見出すというのも農業共同体に理想を見出したエヴァンゲリオンにようで安易で思索が足りないのではないかと思わされた。後戻りしたら現代人が幸福になるわけではないだろう。何はともあれ、現代日本のSNS上の話題全部盛りすぎる。飽きさせないためだろうけど、各テーマを肉付けしたら10冊以上書ける。そこがまさに軽量級の印象の原因で、作品全体の説得力を削いでしまっている。もったいない。 - 2025年11月30日
考察する若者たち三宅香帆読み終わった俯瞰した観察や分析、若者や若者の境遇に対し寛容で理解のある筆致にもかかわらず、著者(1994年生まれ)が若者(Z世代)に対して心の底では納得いってないのが終章あたりでは明け透けでそのトーンのイレギュラーさがちょっと面白かった。SNSアルゴリズムに強く影響され人格を形成した世代として位置付けたのは2025年時点では白眉だろう。 月刊Voiceの連載をまとめて最後2章分加筆した内容。 - 2025年8月29日
読み終わった終章で唐突にかなり軍事的な要素を含む(非核三原則への戦術核を含めた新提案)安全保障論が差し込まれるのに面食らったが、本書のメインとなる第二部の大規模な社会調査分析から導かれた現在の有権者の6分類は、政党が乱立する現在の政治状況に戸惑う自分のような一市民にとっては素晴らしくクリアな示唆を与えてくれた。ただ「新しいリベラル」と定義された新自由主義的なライト右派層のように感じた。また、現在の国民が広く求めるもの(社会投資的福祉)は政府をして万人の新たな財布として欲してるようにも見えた。すでに個々人では立ち行かない新自由主義的な実生活は、社会的投資を増大させて新自由主義を加速させることによって解決できるのか甚だ疑問に思う。国民が求めてるものを新しいリベラルの求めに応じた政治が提供するとして、果たして国民が求めてるものは国民を幸せにするのか。国民は本当に自らの正解を知っているのか。 - 2025年7月9日
- 2025年7月6日
保守主義とは何か宇野重規読み終わったエドマンドバークからTSエリオット、チェスタトン、カーク、オークショット、ハイエク、フリードマン、ノージックという保守主義周りの面々を時代順に簡潔に解説していく概説書。進歩主義に対してのアンチとして、常に後出しで現れる臆病な保守主義像が浮き上がる。 - 2025年7月2日
貧困理論入門志賀信夫読み終わった入門に相応しい内容が2/3を占めており、真剣に貧困についての社会制度史を理解したい読者にとってはありがたい。とてもわかりやすかった。最終5章6章は駆け足かつ著者の主張が乗ってくるのでやや説明不足に感じたが、そこは読者が共著『ベーシックインカムを問い直す』や単著『貧困理論の再検討』へと進めばいいのだろう。 - 2025年6月29日
- 2025年6月17日
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