あいうえお
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- 2025年10月3日マチネの終わりに平野啓一郎読み終わった本書は、才能あるギタリストの蒔野聡史と国際ジャーナリストの小峰洋子が、40代という人生の折り返し地点で出会い、互いに強く惹かれ会う姿を描いた物語です。 「最後の恋」と知っているがゆえの切なさが胸を打ちます。若いころの恋愛のように衝動的に動けず、社会的責任や周囲への配慮、過去の失敗への恐れが二人をすれ違わせていく。その慎重さや迷いが、逆に二人の感情の深さを際立たせ、大人の恋のリアルな苦さと美しさを感じさせます。 芸術や言葉の力が丁寧に描かれていて、読後には「時間を超えたつながり」や「諦めることと愛することの境界」について考えさせられる作品です。
- 2025年10月3日汝、星のごとく凪良ゆう本書は、親の価値観や家庭環境に縛られながら育った登場人物たちが、傷つき、迷い、時に他者を傷つけながらも、自分自身の幸せを選び取っていく過程が描かれた小説です。 親の呪縛は目に見えない鎖のように彼らを縛り、進路・恋愛・生き方の選択にまで影響を及ぼしますが、物語はその鎖をどう断ち切るか、あるいは折り合いをつけながら自分を見つけていくか、という成長の軌跡に焦点を当てています。 ただの“親ガチャ”小説に留まらず、環境の不公平さをリアルに描きながらも「それでも幸せは選び取るもの」という強いメッセージが胸に残りました。登場人物が抱える苦しみや葛藤が生々しく、読後に“自分は何を幸せと感じ、どう選びたいのか”を問いかけられるような作品です。
- 2025年9月25日成瀬は天下を取りにいく宮島未奈本書は、突拍子もないことを本気でやり抜く成瀬あかりという少女の青春小説です。 ニュースに映るために百貨店へ通ったり、漫才で天下を取ろうとしたり、一見ふざけているようで実はまっすぐ。そんな彼女に周囲が振り回されながらも心を動かされていく様子が、とても爽やかに描かれています。 読んでいると「普通でなくてもいい、自分のやりたいことをやってみよう」と背中を押されるような、明るく力のある物語でした。
- 2025年9月16日本当の人生和田秀樹読み終わった本書は、人生の後半をどう生きるかに焦点を当てた本です。要点を簡潔にまとめると以下の通りです。 • 人生100年時代では、後半を「衰えの時期」とせず「第二の人生の充実期」と捉えるべき。 • 定年後は会社の評価から解放され、自分のやりたいことを自由に選べる。 • 健康・お金・人間関係の不安に縛られず、楽しみや自己実現を優先することが重要。 • 周囲の目を気にせず、自分らしく生きる姿勢が「本当の人生」を形づくる。 つまり、「老後を恐れず、自分の意志で人生後半を楽しみ尽くすこと」がメッセージです。 また、「老後=我慢と不安の連続」という従来のイメージを大きく覆してくれます。特に「会社から解放されることで自由に生きられる」という発想は前向きで、読むだけで気持ちが軽くなりました。 さらに、健康やお金に固執するのではなく、やりたいことを優先する生き方を肯定している点は、肩の力を抜いて人生後半を楽しむヒントになると思います。 個人的には、「人の評価ではなく自分の満足で人生を測る」というメッセージが強く印象に残りました。 和田秀樹さんは、日本の精神科医・評論家です。東大医学部卒で、高齢者医療や受験教育に詳しく、テレビや著書でも幅広く発信しています。特に「老年心理」「人生後半の生き方」や「受験戦略」などをテーマに多数の著書を執筆しています。
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