
めるゔぇいゆうずん
@mermelmerme
首を吊るのはもう手遅れ。ゆっくり死にたいの。分割払いで。(笑う)そのほうが得でしょ。
(岩波文庫「独裁者の学校」p.105)
- 2025年10月10日邪宗門北原白秋読み終わったが、そう云う思い出の内でも、あの御年若な若殿様が、少しも取乱した御容子を御見せにならず、ただ、青ざめた御顔を曇らせながら、じっと大殿様の御枕元へ坐っていらしった事を考えると、なぜかまるで磨ぎすました焼刃のにおいでも嗅かぐような、身にしみて、ひやりとする、それでいてやはり頼もしい、妙な心もちが致すのでございます。
- 2025年10月10日黒衣聖母芥川竜之介読み終わった
- 2025年10月10日
- 2025年10月9日
- 2025年10月9日孤独地獄芥川竜之介読み終わった仏説によると、地獄にもさまざまあるが、凡そ先づ、根本地獄、近辺地獄、孤独地獄の三つに分つ事が出来るらしい。それも南瞻部洲下過五百踰繕那乃有地獄と云ふ句があるから、大抵は昔から地下にあるものとなつてゐたのであらう。唯、その中で孤独地獄だけは、山間曠野樹下空中、何処へでも忽然として現れる。云はば目前の境界きやうがいが、すぐそのまま、地獄の苦艱くげんを現前するのである。自分は二三年前から、この地獄へ堕ちた。
- 2025年10月9日
- 2025年10月9日猿蟹合戦芥川竜之介読み終わったお伽噺しか知らない読者は、悲しい蟹の運命に同情の涙を落すかも知れない。しかし蟹の死は当然である。それを気の毒に思いなどするのは、婦女童幼のセンティメンタリズムに過ぎない。天下は蟹の死を是なりとした。現に死刑の行われた夜、判事、検事、弁護士、看守、死刑執行人、教誨師等は四十八時間熟睡したそうである。その上皆夢の中に、天国の門を見たそうである。天国は彼等の話によると、封建時代の城に似たデパアトメント・ストアらしい。
- 2025年10月9日たね子の憂鬱芥川竜之介読み終わったそれは勿論彼女の目にはちらりと見えたばかりだった。が、彼女はこの男を、――この無精髭を伸ばした男を軽蔑しない訣には行かなかった。同時にまた自然と彼の自由を羨まない訣にも行かなかった。
- 2025年10月9日
- 2025年10月9日あばばばば芥川竜之介読み終わった保吉は二人の後ろ姿を眺めた。同時に又天使の来てゐるのを感じた。天使はハムのぶら下つた天井のあたりを飛揚したまま、何にも知らぬ二人の上へ祝福を授けてゐるのに違ひない。尤も燻製の鯡の匂に顔だけはちよいとしかめてゐる。
- 2025年10月9日
- 2025年9月20日
- 2025年9月19日
- 2025年8月23日リチャード三世シェイクスピア,木下順二読み終わった
- 2025年8月17日孤独な娘 (岩波文庫)ナサニエル・ウェスト読み終わった
- 2025年8月16日孤独な娘 (岩波文庫)ナサニエル・ウェスト読み始めた
- 2025年8月16日独裁者の学校エーリヒ・ケストナー,酒寄進一読み終わった七号 人間に関わって計算違いをした者は、その差額を人間に返したい衝動に駆られるものです。 (p.78) シュテラ 首を吊るのはもう手遅れ。ゆっくり死にたいの。分割払いで。(笑う)そのほうが得でしょ。 (p.105)
- 2025年8月14日白い病カレル・チャペック,阿部賢一読み終わった
- 2025年8月13日脂肪のかたまりギ・ド・モーパッサン,高山鉄男読み終わった
- 2025年8月9日紅い花 他4篇 改版ガルシン,神西清読み終わった
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