短編集。 「八月の天変地異」が特にお気に入り。 全体的におどろおどろしい話が続く中、ラストは不思議でどこか晴れやかな気持ちになる話だった。小学生の頃の残酷さというか、その頃から確かにあったスクールカーストをあの頃の気持ちのままに切り出したように描写されてて本当にすごい。 大人になった2人の掛け合いも気兼ねのないもので、友情の話はやっぱり好きだなと思った。 「おとうさん、したいがあるよ」は意味わからずだったけど異様で読む手が止まらなかった。

「塔」が特に心に残った。 そういう、共感できない(自分にはない感覚)のになんだか文を追っているとわかってしまう奇妙な感覚がたまらなく面白いなと思った。 地下の地下のはなしも。 やっぱり読後は霧が晴れるような謎の爽やかさがあって面白かった。