

パピアニューピピア
@papiopa5656
- 2025年7月21日愛を知らないヒューマノイドの恋愛奮闘記yoco,片岡読み終わった好きな先生の新刊が出たということで読了しました。 ヒューマノイド、というのが本編ではデザイン&培養されて生み出される人間(設計された人間)として社会に参画しているのだが、話の本題はそれではなくて「私があなたを信じる」とはどういうことなのか? 好きって何? ということだったのがよかった。 SFの舞台設定から放たれる自分の生活と地続きのテーマを読んでいると、自分だったらこれをどう考えるかな〜とか色々思い巡らすことができて楽しい。 (全然共感できないSFはそれこそファンタジーとして読む) 攻めが中盤からかなりペースが乱されてへたれっぽくなっていたので、前半の完璧キャラを好きだったら後半の攻めを愛せるのか少し疑問だったが、わたしは攻めがへたれだとむちゃくちゃ嬉しいのでとてもお得に感じた。 作中によく出てくる「完璧」という言葉が最後まで、いろんな側面から光を当てられていろんな意味を持っていくのが良い。私は一つのテーマが物語を貫いているのを読むのが好き。
- 2025年7月19日みくのしんが賢治とか(この本の中にはないけど)基次郎とかに「わかるよ!」とか「お前すげえな!」とか言ったり、悔しがったりしているのを見ると、この人にとって作者とは文豪ではなくて「この文章を書いた人」であり、読書もコミュニケーションのうちの一つなんだなあとよくよく感じる。 いまの今まで読み継がれている名著の作者は大概(なんらかの文壇の派閥に属している場合もあるけど)どこかしらに世間から浮いたところを感じていたような人が多いから、みくのしんからスコーンと抜けた青空みたいに手放しにすげー! とかわかんねー! とか言われたらさぞ嬉しかろうなあと思ってしまう。 いつだったか、オツベルと象の記事が出た時にか、Twitter(当時はまだTwitterだったのだっけ?)で見た「文豪たちがみくのしんくんに読んで欲しくて枕元に行列を作っていますよ」という趣旨のツイートが忘れられないからだと思う。 わたしは文豪でもなけりゃ関係者でもないのだが、ナイーブな人々がみくのしんから熱くハグされているのを見ると、どうしても、よかったねえと親戚のおばさんのような気持ちになってしまうんである。 みくのしんくんは私の目の前にはいないし、文豪たちの目の前にもいなくて、ただかまどくんの真向かいに座って本を読んでいるだけなのに。
- 2025年3月23日プロジェクト・ヘイル・メアリー 上アンディ・ウィアー,小野田和子読んでる読み始めた数年前に買って先週くらいから読み始めた。骨太のSFと思っていたけど読み味が思ったよりも軽くて驚いている。翻訳の問題かもしれないけど文体の隙間の感じ(描写がシンプルで抒情的でない感じ)がわりとライトノベル的である。 これから重たくなるのかもしれない。読み始めたばかりだから。 インターネットでわりと三体とプロジェクトヘイルメアリーを並列して語っている感想を目にしたのだけど、両方読み途中の身からするとあまりにもカテゴリとして別のものすぎて二つの物語を並列するのは無理がないかと若干思った。 途中経過 三分の一過ぎた頃から猛烈に引き込まれるようになってきた 翻訳特有の「ワオ!」みたいなノリがあって、イメージ的には登場人物のリアクションはハリーポッターのやつに近いふうに感じた。
- 2025年3月23日完全版 ぼくらの(1)鬼頭莫宏読み終わったヴィレバンにずっと飾ってある本・鬱・胸糞という評判(悪名?)しか知らなかったが、物語の全編を通してかなり生きるということとその意味について真摯に向き合っていてよかった。登場人物(もしくは作者)の観ている世界というのは基本的に美しくて、命というのは光なのであるという通念が伝わってくる。 子供たちが突然に自分の死を突きつけられた時に出す答えがちゃんと人数分あったのがよかったと思う。一人一人抱えている事情や思想によって生き死にや自己犠牲に対して見出す答えが違う(見出せない人もいる)し、自分ができる手段と時によって違うというのが、生き死にに対してむしろ誠実でいいなと思った。 むしろそういう部分について、生々しさや汚さや痛さから来るえぐみを求める人には肝心な核の部分をぬかれた上澄だけの物語に感じて物足りないのかもしれないので、この物語を説明するにおいて「鬱」「胸糞」と言ってしまうのはなんかお互いにとってあまり幸福なことではないような気がする。 わたしはとても好きでした。 三回くらい全部読みましたが、また読みたいです。 追記 あと少し思ったのが、物語上において家族間にある無条件の愛情への信頼が強いなと思いました。 母は当然子を愛し、子はきょうだいを愛し、コミュニケーションがうまく行かなくても最終的に「家族は家族を愛する」という倫理観が通底しているように感じます。そこはかなりフィクション味を強く感じるくらい絶対に揺るがない世界の論理なんだろうなと思いました。 これが作者の哲学なのかどうかは他の作品などを読んでいないのでわかりませんが、この作品を読む限りでは作者が「家族や親子の繋がりや愛情は揺るぎないものである」と考えているように感じました。
- 2025年3月6日統合失調症の一族ロバート・コルカー,柴田裕之読んでる読むとすごい気落ちするので気力がある時にじわじわ読んでいる、興味深いがなぜか落ち込む わたしが10年来精神科に通っている現役の患者だから、作中の一昔前の病院でロボトミー手術などで"治される"人々と自分を重ね合わせて参ってしまうのかな
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