統合失調症の一族

68件の記録
- あんこちゃん@anko2025年6月15日読み終わった借りてきた海外ノンフィクションは細かい描写が多いイメージだけど、それにしても12人きょうだいの家族と周囲の人々まで描くのはすごいの一言。 20世紀という時代もあるのかもしれないけれど、ドラッグ、アルコール、性暴力の嵐…それでも家族の絆は強いんだからアメリカって不思議。
- たま子@tama_co_co2025年4月15日読み終わった@ 自宅家族がそれぞれの内に秘め忘れようとした出来事の数々は年月を経て語られはじめ、ページが進むにつれて、次々に新しい事実が明らかになっていく。まるでサイコミステリー小説を読んでいるようで、ついさっきまで信じていたことが無になり、別の可能性の浮上、でもそれも確かではなく、憶測をなんども重ねながら、一進一退の研究成果にじりじりしながら、わずかずつ真実に近づいていく怖さと、知りたさがずっと続く。ロバート・コルカーの並外れた調査力とストーリーテラーさに慄きながら、抗いがたく一気に読んでしまった。 この物語は、統合失調症とともに生きてきた家族の物語であり、その原因や対処を見つけることに一生をかけた不屈の研究者たちの物語でもある。
- たま子@tama_co_co2025年4月13日読んでる@ 自宅「自分のことを心から大切に思ってくれている人が、自分がどんな目に遭ってきたかを一つ残らず知っていながら、それでも強さを見て取り、敬意を払い、人となりを理解してくれるという、そんなことがありうるのがわかったのは、これが初めてだった。」ーp289 12人の子供の末娘リンジーがシルヴァーンという存在についに出会えたことにほんのわずかな希望を見る。ずっと張り詰めた状態でもしかして何もかも手遅れで解決策など一つもなく、どんな専門家にもお手上げなのではないかと憤りながら、先を急ぐように読み進めるなかで。
- ふく@fukunatsu2025年4月12日買った読み始めた兄弟が次々と統合失調症を発症していく家族の話。 統合失調症と言えば遺伝で発症すると言われているが、必ず発症するわけではないし、メカニズムが良く分かっていない精神疾患。 めちゃくちゃ分厚くて読めるか心配ではあるけど、専門用語はほとんどなく小説なので、がんばって読み終わりたい。
- ゆい奈@tu1_book2025年4月11日読み始めた図書館で借りてきた。学生時代、精神科の実習で統合失調症の患者さんを2ヶ月担当したことがあり、そのときに疾患について膨大な資料を読み漁ったことを思い出す。読むぞ。
- たま子@tama_co_co2025年4月10日読み始めた@ 自宅こんなにぐんぐん読み進めてしまうノンフィクションは久しぶり。12人の子どものうち6人が統合失調症に。第一次大戦直後に生まれた親のミミとドン。世界恐慌時に出会い、第二次大戦中に結婚し、冷戦時代に子どもたちを育てる。アメリカの世紀を生きた家族の記録と、フロイトやユングをはじめとする精神分析家・理論家による議論。統合失調症は遺伝か、環境か。事実は小説より奇なり。…さあそろそろ仕事をはじめよう。
- Yamada Keisuke@afro1082025年3月9日読み終わった友人と話したポッドキャストで「2024年に読んだ中で一番」として挙げられていたので読んだ。統合失調症のことは何も知らなかったが、本著を読むことで過酷な実態を掴むことができた。そして、読み終えた今でもこれがノンフィクションだとは到底信じられない。さまざまな人物が錯綜しながら、その人間交差点の狭間から見えてくる精神病との戦いは「事実は小説より奇なり」を体現していた。 舞台はアメリカのコロラド州。そこで50〜70年代にかけて12人の子どもをもうけた夫婦がおり、その子どもたちのうち6人が統合失調症にかかった。本著は、そのファミリーヒストリーと、統合失調症に対する研究と治療の歴史を追いかけたノンフィクションだ。 統合失調症という言葉の響きだけでは、その実態がなかなか掴めないわけだが、以前は精神分裂病と訳されていた病だ。本人にしか意味が通らない発言、感情の激しい起伏、現実と幻想の境目が曖昧になるような症状が発症する病気だ。そんな異常事態が、家族内で次々と連鎖していく様は、読んでいて心が削られるほどだった。当時も今も、統合失調症に対して的確に作用する薬や治療がないため、なんとか各人が症状を抑えるような努力をしつつも、どうしても限界が生まれてしまい、ひたすら入退院を繰り返す終わりのない地獄のような日々が描かれていた。 本著が最も優れているのは構成である。前半はひたすらファミリーヒストリーが続くのだが、あるタイミングで視点が一気に切り替わる。それは統合失調症に関する研究パートが入ってくるのだ。その後は、家族の話と、統合失調症に関する研究の話が交互に登場、どんどんグルーヴが増していき読む手が止まらなくる。ドラマとしての魅力を家族が担い物語を推進する一方で、学術的な探求も進んでいくことで興味が尽きない。一冊を通して、知的好奇心と感情の揺さぶりが波のように押し寄せてくるのだ。 家族一人一人のキャラクターが強烈なことも本著の魅力である。「魅力」というと語弊があるが、とにかく最悪と思える出来事が頻発する。外ヅラの家族像とその内情のギャップは、どこの家族でもいくらかは抱えていることだと思う。しかし、彼らほど多くを抱えている家族はそういないだろう。父も母も、多くの問題を抱えていたように見えるが、それを責めることができるかといえば、そう単純な話でもない。同じ立場に自分が置かれたと想像した場合、現実を冷静に受け止めて、一つずつ対処できるだろうかと言われれば到底無理だ。だからこそ、両親が「ことなかれ主義」で家族の体裁をなんとか延命させるしかなかったことが理解できる。 現時点でも統合失調症の原因は明確にわかってない中、遺伝要因と環境要因が綱引きし続けている歴史的背景から学問の進歩を味わえる点が素晴らしい。当初は「統合失調症誘発性の母親」というレッテル張りで物事を単純化し表面を取り繕っていたが、研究が進んでいくと、遺伝要因以外の可能性も開かれていく。学問は一足飛びに真理に辿りつくものではなく、常に迂回し、間違いを経て前進していくというプロセスが丁寧に描かれていた。大きなことを言えば人間が人間である理由とも言える。一方で資本主義社会において、病を研究し、創薬することの難しさが伝わってきた。多くの人が劇的に良くなる可能性があったとしても、そこで「儲けられるか?」という指標が介在するために研究が中断、分断してしまうシーンは虚しい気持ちになった。 終盤にかけて末娘のリンジーが、母親と精神疾患を抱える兄たちの面倒を一手に担い、病気を抑える各人にとっての最適解を模索していく過程には驚いた。なぜなら年齢が一番下であるがゆえに、家族の中で最も割を食った人生を歩んできた立場だからだ。しかし、そんな過去に拘泥することなく、献身的なサポートを繰り返す。そして、その姿に感化されて他の兄弟たちも協力的になっていく様は、家族再生の物語として興味深かった。 彼女は、思いがけない残酷な運命が、自分は見逃してくれたものの、兄たちを襲ったことに、ひどい負い目を感じていたのだ。彼女はその不公平を正したかった。借りを返したかった。(中略) なぜ私ではなくピーターが病気になったのか? とリンジーはよく思った。私は病気にならなかったのだから、ピーターに借りがある、と。 そして、とんでもないエンディングが大ラスに待ち構えていて震えた。読んでいるあいだ、こんな未来を感じさせるエンディングは全く予期していなかったので驚いたのであった。原因がわからないゆえに他人事ではない病の怖さも感じつつ、超一級エンタメとしての魅力もある不思議な一冊。
- パピアニューピピア@papiopa56562025年3月6日読んでる読むとすごい気落ちするので気力がある時にじわじわ読んでいる、興味深いがなぜか落ち込む わたしが10年来精神科に通っている現役の患者だから、作中の一昔前の病院でロボトミー手術などで"治される"人々と自分を重ね合わせて参ってしまうのかな
- たま子@tama_co_co2025年3月1日気になる@ 電車今まで本の話をしたことがなかった友人と最近読んだ本の話などをして、嬉しくてすこし食い気味に話してしまったような気がする。気になる本や漫画、映画、ドラマがたんまり増えた。よき日。次はお花見で。
- おふね@ofune2025年2月8日読み終わった借りてきためちゃくちゃ面白かった。こんなに面白いノンフィクションは久しぶり。 母として子を思いながら、どんどん家庭と子どもたちがどうしようもなくなっていく様子や、当時、社会的に精神疾患が「育て方」のせい(特に母親に起因するもの)と思われていた中、完全ワンオペ育児で日常を守ろうとする母に感情移入してしまい読んでいて辛かった。 兄たちに半生を蹂躙されながらも自分の生き方を見つけている子どももいて、希望が持てる。 とにかく面白かった。久しぶりに電車で本を読んでいて、集中し過ぎて駅で降りそびれた。(ハリーポッター以来2回目)