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@ulala_
  • 2025年7月31日
    町内会死者蘇生事件
    ニッポン放送「垣花正あなたとハッピー」木曜日のコーナー「中瀬ゆかりのブックソムリエ」での紹介が面白すぎて、読んでみることにしました。 本の帯「誰だ!せっかく殺したクソジジイを生き返らせたのは!?」という煽り文句も最高。 そう、この小説は、殺人犯じゃなくて、蘇生した犯人を探す、逆ミステリなのです!! 誰が、なんのために生き返らせているのか、が焦点になってくる話なのだけど、最後まで結構意外な展開で面白く読めました。
  • 2025年7月18日
    日本アパッチ族
    いとうせいこうと奥泉光の「文芸漫談」が好きで、よく観に行っている。 毎回一冊の本をお題に、漫談のように語りあうトークショーで、小説の面白さと理解が深まって毎回楽しみにしてる。 今回の本は「日本アパッチ族」。 小松左京の作品は、映画では観たことがあるけど小説を読むのは初めてだった。 この作品も、タイトルは知ってるけど…くらいの、ほぼ何も知らない状態で読み始めた。 なので、まず、「な、何を読ませられてるんだ!?」と戸惑った。 舞台は終戦から何十年か経った日本、大阪。 ある男が、失業罪で鉄工所の跡地に追放に追放される。 そこで、鉄を主食とするアパッチ族と出会い…。 鉄を食べるってなんだよって思ったけど、調理方法が詳しく書いてあって、実は美味しいのでは…。という気持ちになっている。 でも、最初は食べやすい工夫をしている描写だったのに、物語が進むにつれて武器をムシャムシャ齧ってたりするので、進化のスピードが凄まじいのか、設定が適当なのか…。 適当と言えば、物語のそこかしこにちょっとしたギャグが入っていて、例えばアパッチ族が「ホウ」「アハウ」と挨拶しあう場面が出てくるけど、一回だけだったり(アパッチインディアンにかけたギャグだ思う)最後の方で出てくるコール・マン(石炭を食べて生きる人種)は、鼻下に美しい口髭を蓄えていたり(ロナルド・コールマンのことだと思う) 奥泉さん曰く「ちょっとすべってない?」ってことだったけど(確かに!)、そこの緩みもまた魅力なのかなと思った。 そのうち日本政府と対立を始めてドタバタな戦いになるわけだけど、その戦いの中ですら、どこかおかしみがあった。捕まっても手錠を食べちゃったり。 最終的な決着とかその後のこともしっかり描かれていて、最後まで面白い物語だった。 解説で知ったのだけど、日本アパッチ族をやなせたかし先生が漫画化してるらしい。これも読んでみたいな。
  • 2025年5月17日
    信仰
    信仰
    短編それぞれが面白かったけど、1編目の「信仰」はのっけから強烈だった。 現実を突き詰めても、天動説を信じても、浄水器の勧誘も、ちょっと高いネイルや美容エステも、誰かにとっては真実だし、誰かにとってはカルトになる。その人がいる地点で見方が変わる曖昧なもの。正しいものなんてひとつもないんだ。 ひとつ言えるのは、行き過ぎるのは良くない。何かにどんなにハマっても、周りが少しは見える自分でいなきゃね。 ということをいちいち考えながら、自分を振り返りながら、読んだ。面白かった。
  • 2025年5月9日
    噂の女
    噂の女
    久しぶりに仕事関係の人とランチすることになった。 その日は珍しく土砂降りの雨。待ち合わせのお店は駅から10分ほど歩く場所で、時間きっかりに行ったら、満員で入れなかった。 約束した人は15分くらい遅れて来た。 なんだかいろいろとモヤモヤしたので、帰りに図書館に寄ることにした。 このぬるっとしたモヤモヤがすっきりするような何か…と探していたら奥田英朗が目についた。 そういえば昔好きでいくつか読んだな、と思い出して、読んだことのないこの本を借りることにした。 正直、すっきりどころかイライラが増してしまった。忘れていたけど、それが奥田英朗だ。 狭い田舎の街で、一人の女について、さまざまな登場人物が語ったり思ったりするのだけど、それがどれもこれも軽蔑や悪意や嫌悪に満ちている。 とはいえこの女も相当で、ここには描かれていない近い未来の姿が容易に想像できる、というかそれを想像させるための物語だった。 最初わたしはこの女の方に肩入れをして読み進めていた。それくらい、みんなの噂話がゲスいのだ。 「あ、この小説って、そういうことか」と気づいたのは最後から2〜3編目あたりで、それに気づいた途端、この小説を超えた時空で、それが起こった時の彼ら彼女らの行動・言動が簡単に頭の中でリアルに動き出す。 気分は晴れなかったし、むしろどんよりとした気持ちにはなったけど、よく取材ができた女性誌のゴシップ記事をくまなく読んだような、変な充実感だった。
  • 2025年4月27日
    すみれの花の砂糖づけ
    暮しの手帖web版で、カヒミカリィの連載が始まった。 その連載の中で、春には庭に咲いたすみれを摘んで砂糖漬けを作っているという記述があって、わたしの大好きなカヒミちゃんはいつまで経ってもぶれない!と嬉しく思ったのです。 あまりにも可愛くて衝撃だったので、私も作りたくなったのだけど、ウチはそもそもすみれが咲いてない。でも、すみれの花の砂糖漬けの気分が味わいたい!と調べていたらこの本を見つけたので読むことにしました。 私が望んでいたものとはちょっと違ったけど、これはこれで読んで良かったです。ニヒルで自己中で恋愛しかなくて感情が空っぽで、人生を諦めてて、どこか他の場所に行きたいのに何もできなくて…といった女の子の詩集。官能的な雰囲気が漂っていて、きっと20年前ならわたしは拒絶していただろうけど、今読むとなかなか良いなあ、などと思いました。江國香織の本、今なら読めるかも。試してみようかな。 あと、1編目の「だれのものでもなかったあたし」 > すみれの花の砂糖漬けをたべると > 私はたちまち少女になる > だれのものでもなかったあたし この詩と、カヒミちゃんが砂糖漬けを作る行為がリンクしてる感じがあって良かったです。
  • 2025年4月27日
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