多元世界に向けたデザイン

多元世界に向けたデザイン
多元世界に向けたデザイン
アルトゥーロ・エスコバル
増井エドワード
森田敦郎
水内智英
水野大二郎
神崎隼人
ビー・エヌ・エヌ
2024年2月22日
5件の記録
  • 一世
    一世
    @seedo81
    2025年3月21日
    読了。持続可能な世界へのトランジションに向けて、「デザイン」の再定義/方向転換を図る人類学者アルトゥーロ・エスコバル氏の著書。 アプローチとしては、単なる「持続可能なデザイン」の議論にとどまらず、「デザインとは社会や文化、経済のあり方そのものを形づくるものだ」という視点から、社会全体の再構築を試みるものになっています。 著者のエスコバル氏がコロンビア生まれの人類学者ということもあり、西洋的な経済活動によって影響を受けるサウスアメリカの未来について「デザイン(トランジション・デザイン)」という言葉で、未来像を提言しているような内容となっています。 それはまるで、大航海時代に起きた南アメリカへの西洋の奪略行為を裏テーマ的に描いた映画『ブラックパンサー2』におけるワカンダとタロカンの歴史的背景を彷彿とさせるものがあります。 本書の最大の特徴は、デザイナーではない人類学者が「デザイン」という概念を用いて書いている点でしょう。 そのため、デザイン論にとどまらず、人類学、開発学、哲学、生態学、ラテンアメリカ研究、フェミニズム理論、仏教、音楽など、多種多様な視点が交錯する 展開となっています。このめまぐるしさが面白い反面、翻訳の影響もあるのか 日本語がやや回りくどく感じる 部分もあり、読み進めるには一定の集中力が必要でした。 とはいえ、本書は イタリアのデザイン思想家エツィオ・マンズィーニ の影響を強く受けながら、「デザインを単なるモノづくりの手法ではなく、社会構造を変革する手段として捉える」という重要な視点を提示しています。 本書で繰り返し登場するのが、「人がデザインをつくり、その作られたデザインの影響で、人が形づけられる」 という入れ子構造的な視点です。この考え方は、デザインとは単なる人間の創造物ではなく、それ自体が社会や文化、人間の行動を規定していく という洞察を示しています。 デザインを固定的なものではなく、相互依存的なプロセスとして捉える ことが、今後の社会変革において重要であるという著者からのメッセージを感じる良書でした。 ● 多元世界に向けたデザイン ラディカルな相互依存性、自治と自律、そして複数の世界をつくること(アルトゥーロ・エスコバル、2024年、BNN) 画像
  • domeki
    domeki
    @dooooom
    2025年3月9日
  • 日記
    日記
    @nikki_tin
    2025年3月9日
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