ぼくは青くて透明で
8件の記録
- 文@fumi_hondana2025年9月19日読み終わったもしもこの作品の実写化が検討中なら、もう少しだけ待ってほしい、日本が、「普通」や「多様性」という言葉から解放される時まで待ってほしいと思った。今、実写化されたところで、どんな感想が湧いてくるのかは予想がついてしまうから。一言で表したくないこの物語の魅力が、SNSにありふれた言葉で固まってしまうのは避けたい。 どんな愛も、一筋縄ではいかないけれど、人を思う心があるから愛おしい。いちいち愛に名前をつける必要なんてない。大人になるというのは、誰かの「好き」を受け止めて、自分の「好き」も同じくらい大切にすることだと思う。形も中身もバラバラの愛が、愛しいものとして、大事にされる社会はいつ来るのかな、ふと考える夜。



amy@note_15812025年3月20日かつて読んだ感想窪美澄さんの高校生の男の子同士の恋愛をベースにした群像劇。BL小説のレーベルからの出版ではないので一般文芸の作品という認識をしています 学校や生まれた場所、引っ越した場所なんかは自分たちでそのコミュニティを形成する人たちがどんな人かは知ることができず、いわば自動的にそのコミュニティの一員になる。それゆえにそのコミュニティ内の「普通」以外を排斥してしまったり、そこまでの意思はなくともどう関わればいいかわからずに遠巻きにしがちだ そのなかで少しでも共通点があると人間は嬉しくて自分と同じだ!と舞い上がってしまうし、この人(たち)は自分のことをわかってくれる、受け入れてくれると思いがちだ それは悪いことではないしわかりあえる部分がある人と出会えたことは喜ばしいことなのだけれど、でも他人は他人で、どうしたって生きてきた環境や生まれ持った性格で価値観や感覚というものは変わってしまう それらの葛藤をどう緩衝させていくか、誰かと生きていくことは、連帯することとはという人の成長を高校生である主人公の海やその友人たちだけではなくて、大人たちの面からも描いてくれて、作者がこの現実のどうにもならなさを引き受けたうえで少しの希望をもたせる物語になっている。とても好きな作品になった







