九年目の魔法

5件の記録
- ヨル@yoru_no_hon2025年5月14日読み終わった読了ポーリィは本を読みながら部屋にかけてある写真を眺める。この本もこの写真も、前に読んだことがあるのに、何か意味があったはずなのに思い出せない。ハンズドン館、ローレル、リンさん......自分の過去が塗り替えられていることに気づく。ほんとうの過去を少しづつ思い出しながら大切なものを取り戻していく、というストーリー。 日常が非日常に侵食されていくファンタジーで、『わたしが幽霊だった時』と同じように、自己中心的な(半ネグレクト的な)両親に育てられる。ダイアナの作品は毒親を持つ子どもたちの話が多いのかもしれない。 今回はお祖母ちゃんがいたことが救い。それと本。ポーリィにある人からたくさん本が送られてくる。『オズの魔法使い』『ライオンと魔女』『アンクルトムの小屋』『太陽の東 月の西』『アーサー王物語』『ペレランドラ』『三銃士』『指輪物語』『トムは真夜中の庭で』『忘れられた時代』『金枝篇』...etc. 今ちょうど岩波児童文学作品をを読み進めていたり、児童書ブームが自分の中で来ていたので、読みたいリストに追加。『妖精の騎士 タム・リン』という物語が下敷きになっているようでそちらも読みたい。 寂しさを埋めるようにたくさんの本を貪り読むポーリィに、少しでも幸せになってほしいと願いながら読んだ。 ここからネタバレになるけど、リンさんとの関係性がなんとも絶妙~~~!!付かず離れずの距離感で、でもお互い必要とし大事に想っている感じがたまらなくピュアで胸きゅん!!(出会いも仲良くなる意図も別にあって、それを知る前と後では関係性も想いも全く違ってはくるんだけど、お互いを想い合っているという点は変わらず!)ポーリィ視点で語られることもあってリンの印象がぼやけていて、どんな外見なのか年寄りなのか青年なのか定まってないのも最初は不思議に思っていたけど(最後になるまでリンさんの首から上が全く想像できなかった)、これも作者の意図だったと最後にわかったときは、はは~ん、なるほど~そういうことだったのね!!うまいなあ!!となった!!ぐんぐん読んじゃうぐらい面白かったから、落ち着いてもう一回読みたい!!でもハウルも読みたい!!