アキレウスの歌

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- 𝘽𝙀𝙇𝙇𝙀@00belle_2025年3月12日借りてきたかつて読んだまた読みたい感想高校生の頃図書館で見つけて表紙のデザインに惹かれて表紙借りした本 どういう話なのか全然知らずに読み始めたけど話が面白くて夢中になって読むことができた ギリシャ神話のトロイア戦争(イリアス)をパトロクロスの視点から再解釈した物語で、アキレウスとパトロクロスが恋愛関係だったのが良かった 切ないけど美しく、とても感動的な物語だった 当時の(神話だから実話ではないけど古代ギリシャの価値観を反映してる)死生観や、現代人からすると悪い意味で驚くような出来事も多かったけど、そのおかげで古代ギリシャの歴史やギリシャ神話についてもっと知りたいと思えて向学心が刺激されました オデュッセイアも2026年にクリストファー・ノーラン監督で映画化が決まってる(キャストも超豪華)ことだし、アキレウスの歌も映像化してほしい🙏🏻 それにしても3000年近く前から語られていた物語が現在でも残っていて、今なお関連作品が作られ続けているなんてすごいことだ…
- talia@talia0v02025年3月11日読み終わったNetflix『ハートストッパー』でアイザックとチャーリーが読んでたというだけで気になって読みました。ギリシア神話に疎いので『駿足』の話が出るまでアキレウスがアキレスのことだとわからなかった。そうか、彼は死ぬのか…と思いながら読み進めて、序盤のテティスが身籠る下りで感じた違和感が的中する。 神と人が戦う話は神話として聞けば面白いけれども結局は名声のために戦を止めない男たちが命を落としていく物語。彼らが求める戦利品は地位や名誉や土地や財産だけでなく家畜や女性も──そう、女性も戦利品である。ギリシア軍メネラオスの妻へレネがトロイアのパリスに拐われたことから始まったトロイア戦争は数多の命を十年間も犠牲にし続けた。戦士たちだけでない侵略された人々をも巻き込んで人々は命を落とし、略奪された女性たちは奴隷になる。その中の一人ブリセイスがアキレウスの『戦利品』としてアガメムノンとの対立に巻き込まれて、トロイア戦争は泥沼化する。 訳者あとがきの二番煎じになりますがこの神話をアキレウスとその『親友』パトロクロスの物語として新しく書いた点に現代文学としての読み応えがあると思う。パトロクロスの生い立ちからアキレウスとの出会い、トロイア戦争が始まるまでの二人のやりとりが丁寧に描かれていて、彼らが神話として描かれる部分について「戦いになんて行かなければ良いのに」と読みながら思わずにはいられなかった。ハートストッパーのアイザックが四時間泣いたと言っていたので覚悟して読みましたが怯えていたよりはスッキリする終わり方でした。人はたくさん死にましたが。本当にたくさん人が死んだ。戦さなんて本当、ほんの一握りの人しか求めてない。その一握りだって名誉だとか建前を述べて本当は求めてないかもしれないのに、それに巻き込まれて犠牲になる人々の、尊厳を踏み躙られる人々の数はあまりにも多い。著書、マデリン・ミラー氏はギリシア神話を読み聞かせてもらって育ったとあとがきで書いてるのでおそらくギリシア神話が好きな方だと思うのですが、本書を読んだあとの所感が「ギリシア神話の人々も神々もどうしようもねぇ奴らばっかだな!!」となってしまったことだけが読み方を間違えてしまったのではないかと気がかりです。よくわからんけど全部ゼウスのせいにしとこう。アキレウスが生まれた理由も酷かったし。 小さな文字で書かれた3センチほどの単行本ですが一気に読むことができました。あっさりとした文体にもかかわらず深く余韻の残る物語でした。