私の頭が正常であったなら

8件の記録
- アキの本棚@akisbooks2025年7月17日読み終わった7/15〜7/17 読了 8つの短編が収録された作品集。そのどれにも“死”が付き纏い、それを乗り越える者、受け入れる者、そして書き下ろしの“死後の世界の祝福”——短編集でありながら、一冊を通して“死”と向き合う構成になっている。 【世界で一番、みじかい小説】 理系の妻と主人公にしか見えない、サラリーマンの幽霊の“正体を暴く”夫婦の話。 【子どもを沈める】 高校時代にいじめ、自殺した同級生にそっくりな娘が産まれてしまい、葛藤を抱えながら生きていく母親。 【トランシーバー】 東日本大震災で妻子を亡くした主人公が、生前の息子と遊んでいたトランシーバーからの“幻聴”を通じて前を向いていく話。 【私の頭が正常であったなら】 DVやモラハラが原因で離婚した元夫が、自分の目の前で娘とともに心中。心を壊しながらも、その出来事をきっかけに1人の少女を救い、少しずつ前に進んでいく。 この4作品が特に心に残った。絶望の中に見出すかすかな光や、人には理解されないかもしれないけれど、当人にとっては不思議でかけがえのない体験——そうしたほんのり感が好きな方におすすめ。 “死”にまつわる描写は多いので、そのあたりに耐性のある方はぜひ。
- アキの本棚@akisbooks2025年7月15日買った読み始めた山白朝子名義の乙一本。本日、仕事の休憩時間から読み始める。今月2冊目。 あらすじ(引用) 最近、夫婦は部屋でおかしなものを見るようになった。妻は、“幽霊ではないか”とかんがえ始める。理系の妻と謎を追い始めた主人公が辿り着いた意外な真相とはーー「世界で一番、みじかい小説」。 東日本大震災で妻子を失った男の心情を描き、読者の涙を誘う「トランシーバー」、別れた夫に愛娘と心中された主人公を描いた表題作など“切なさ”の名手が描く日常と非日常のあわい。恐ろしく美しい8つの“喪失”の物語。解説・宮部みゆき あらすじ時点で好きな部類の作品であること間違い無し。不思議な体験の中にある奇妙な感情、歪だけど大事なもの、みたいな乙一の表現が大好きなので期待大!乙一の短編集はとても読みやすくて良い。ゆっくり楽しみたいと思います。